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ゆるやかな時間を楽しむ「イロドリマーケット」、コロナ禍にスタートしたイベントが地域に活気を与える【兵庫県豊岡市出石町・田結庄通り商店街】

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「イロドリマーケット」の様子。参加店の店先には、イロドリメンバー渾身の手作り看板が置かれている

 但馬の小京都と称される兵庫県豊岡市出石町、その中心地から200mほど離れた場所にある田結庄(たいのしょう)通り商店街で、昨年の9月から毎月15日に「イロドリマーケット」が開催され人気を呼んでいる。商店街の店は毎回10店舗ほどが参加。イベントのための特別な値下げセールなどは行わず、各店が心ばかりのサービスを用意する。そんな、気張らずのんびりとした雰囲気が人々にうけ、それまで常に閑散としていた通りには多くの人が訪れるようになった。

 このイロドリマーケットを主催するのは、商店街に縁のある3人の女性、つるや洋品店の三代目古橋緋香里さん、小さなきもの屋ふらりの店主齊藤愛織さん、湖月堂の長女石田安佳梨さんだ。同町は出石城の城下町として栄えた歴史があり、その古い街並みに加え、出石そばや出石焼といった名物を目当てに大勢の人が訪れる。しかし、中心地から少し離れた田結庄通りまでは客足が伸びず、さらに高齢化の影響も相まって商店街は活気を失っていた。その状況に危機感を感じていた3人は、魅力あふれるこの街の良さをもっと地元の人にも知ってもらおうと、昨年の1月にチーム“イロドリ”を結成。毎月15日をイベント日と決め、商店街に人の流れを作ることで、田結庄通りにスポットを当てようと考えたのだ。しかし、これから動き出そうとした矢先に新型コロナウイルスが流行してしまった。

  「一時は、まるでゴーストタウンの様に通りから人の姿が消えました。でも、私たちはここで生きている。私たちが生きていくために何かしないといけないと思ったんです」と古橋さん。そこで始めたのが、SNSでの商店街の魅力発信だ。自分たちがモデルとなり、昭和レトロな田結庄通りの町並みを紹介していった。そうして感染が下火になり始めた昨年9月15日、ついに「イロドリマーケット」を開催した。その時の参加店舗はイロドリメンバーの3店舗のみで、割引券の配布、甘酒やそば茶のおもてなしといったささやかなサービスを行っただけであったが、通りは久しぶりのにぎわいを見せた。その様子に、他の店からも「一緒にやりたい」との声が次々と上がり、翌月には参加店舗は8店へと拡大、今では常時10店舗ほどが参加している。

商店街を歩く“ イロドリ ”の3人。自分たちがモデルとなり、SNSを活用した商店街の魅力発信も行っている

 開始からおよそ1年。古橋さんによると、その継続の秘訣は、“特別なことをしないこと”だという。
「商店街には高齢の店主さんも多いので、何か大それたことをしようとするとそれがプレッシャーになったり重荷になったりすると思うんです。なので、自分たちがやる気になる程度の頑張りにしてくださいとお伝えしています。そうして私たちが楽しんでいたら、お客さんも楽しんでいただけるかなと。」

 現在イロドリマーケットでは、参加店舗が各自で企画展を開催したり、商品を購入した人におまけをつけたり、100円のキッズネイルのサービスをしてみたりと、それぞれのペースで盛り上げに一役買っている。来街者の数も徐々に増加、特にイロドリメンバーと同年代の女性の姿を見かけることが多くなった。また、このイベントは商店街の外からの出店も可能で、その出店場所には空き店舗を活用している。地元の不動産屋の協力を得て、この日だけ特別に貸し出してもらっているのだ。イロドリマーケットの盛況ぶりと相まって、最近では空き店舗に対する問い合わせもぐんと増えているという。

 「ありがたいことにイベント時は、お店の売上もアップしています。そのことがコロナ禍でみなさんのやる気につながっていて、15日のマーケットの開催日に向けて商店街が1つになっている感じがとても嬉しいです。これからも自分たちのペースで歩を進めながら、田結庄にもっとスポットが当たっていって欲しいです」と古橋さんは商店街の未来に期待を膨らませる。

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