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コロナ禍にまち歩きで楽しくリフレッシュ【埼玉県志木市・いろは商店会】

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イベントを楽しんでもらおうと心を込めて作成したマップ。アンケートもつけて来街者の意識調査も兼ねる

 埼玉県志木市のいろは商店会(正会員数44店舗)は、10月10日から31日まで、まち歩きイベント「いろハロウィンしあわせまつり」を開催している。コロナ禍でも市民が歩く楽しさを忘れずに健康づくりに励んでほしいと市が企画した「それぞれウォーキング」(参加者それぞれが好きな時間に歩いて、まだ知らない地元の魅力を見つけるイベント)と連動し、街を盛り上げている。

 いろは商店会は、東武東上線の志木駅から徒歩15分ほど離れた市民会館近くにある、市内で最も古い歴史を持つと言われる商店街だ。この辺りは、江戸時代から昭和初期にかけて、付近を流れる新河岸川の舟運の恩恵を受け、都心部への物資流通の中継ポイントとして大いに栄えたエリア。国の登録有形文化財の明治時代の商家「朝日屋原薬局」や国の重要有形民俗文化財「田子山富士塚」などがあり、その歴史の一幕を垣間見ることができる。

 いろは商店会が組織として活動を始めたのは、1975年(昭和50年)。以来、地元に根差した商店街として活動を続けてきた。しかし、ここ2年間はコロナの影響で動きが取れず、悶々とした日々が続いていたという。「集客イベントはできないが、このまま何もしないわけにはいかない」―そう思った商店会のメンバーは、補助金を活用してマップづくりを行うことに。その効果的な方策を学ぼうと9月に県から専門家を派遣してもらい勉強会を開いた。

 「勉強会で、マップづくりそのものを目的にするのではなく、そのマップを使って自分たちが何をしたいのか、地域の方々に何を届けたいのかが大切なことだと分かったんです」と、副会長の岩下隆さんは語る。話し合いの末、昨年中止となってしまった10月のイベント「いろハロウィンしあわせまつり」を、人を集めるイベントではなく、人が分散しても参加できるイベントにリメイクし、コロナ禍での健康づくりと地域のふれあい促進を目的とする“まち歩き”を実施することに決めた。そして、そのまち歩きを促すツールとして、マップを作成することにした。

お店の看板に隠れている商店街マスコット「カッピー」のシルエット

 現在開催されている「いろハロウィンしあわせまつり~のんびりとまちあるきを~」には、まち歩きを楽しんでもらうための仕掛けのクイズが仕込まれている。3つの店舗の看板やウインドウなどに貼られている商店街マスコットのカッパの“カッピー”のシルエットを探す「隠れカッピーを探せ!」と、8つの店舗に忍ばせてあるひらがな文字を探して並び替え言葉をつくる「いろは文字探し」。マップの一部分は切り取り線で囲まれた解答用紙になっており、それにクイズの答えと簡単なアンケートを記入して投稿すれば、抽選でコーヒーメーカーやオーブントースターなどの景品が当たるという寸法だ。マップは16,000枚用意。新聞折込で市内の住民に配布した。また、同時にオンラインでもイベントが楽しめるようにとフェイスブックを活用し、毎日異なるお店当てクイズを出題。その答えとなる店の外観を写真にとってコメント欄に送ると、こちらも抽選で景品が当たる仕組みになっている。

 岩下さんによると、このイベントを始めてから、街を歩く人の姿がぐんと増えたという。また、マップを手に質問しに店に立ち寄る人も多く、マップが来街者とのコミュニケーションツールになっているとの実感も湧いている。「例年のイベント実施では、会員が疲労感だけ残って終わるケースも多かったのですが、今回は勉強会で学んだことを生かして、イベント開催のゴールやその先の目標を皆で共有することに重きを置いています。参加者の声も集めることで、今後の商店街イベントの方向性も考えることができたら。活動が制限されるなかでも、会員が楽しみながら工夫すれば、地域の皆さんも明るい気持ちにできることが分かりました。これからも、コロナに負けずに自分たちのできることを頑張っていきます」と、岩下さんは声を弾ませた。

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