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商店街を若者の新たな挑戦を受け止める場に!【熊本県熊本市・子飼商店街】

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この夏、高校生たちが子飼商店街でさまざまな企画に挑戦中

 熊本市の中心市街地から北東へ2㎞の位置にある子飼商店街(子飼繁栄会商店街振興組合および子飼商店街振興組合によって構成されている)は、昭和の情緒が色濃く残る商店街だ。戦後いち早く地元農家がこの場所に野菜を持ちより直売を開始し、それが好評を博して人とモノと店が集まり商店街となった。今でも商店街の約400mの細い通りには、青果店、鮮魚店、精肉店、衣料品店、雑貨店などが、屋根から日よけのシートをめいっぱい張り出し、所狭しと軒を連ねる。

 しかし、70年以上も”市民の台所”と称され人々の暮らしに寄り添い続けてきたこの商店街も、店主の高齢化と後継者不足という問題に加え、5年前の熊本地震の影響を受け、ここ数年閉店が相次いでいる。以前は100以上あった店舗数も70まで減ってしまった。

 そんななか、「こんな魅力ある商店街が廃れてしまうのはもったいない!」「この商店街をずっと先の未来まで繋いでいきたい!」という声をあげ、商店街の抱える問題に向きあおうと動き出した者たちがいる。地元の学生たちだ。2019年、商店街の最寄りの熊本大学工学部の学生たちが商店街の空き店舗をリノベーションし、休憩所兼レンタルスペース「ひとやすみ」をつくると、商店街内で音楽会や展示会などのイベントが開催されるようになり、さらには熊本県在住の漫画家の協力も得て、「ひとやすみ」の店主という設定のマスコットキャラクターが誕生、オフィシャルグッズなどの販売も始まった。また、2020年からは地元の高校生たちの活動もスタートし、ルーテル学院高校、九州学院の生徒たちが、県の「私学の魅力アップ事業」(※)を活用して「子飼商店街活性化プロジェクト」を立ち上げた。高校生たちは「ひとやすみ」を利用し、同世代に商店街を知ってもらうことを目的に、高校生を対象とした自習室をつくる取組みを行った。

 そして今年2021年、高校生たちは取組みを進化させ、さらに広い世代の来街を促すための企画を次々に実行している。現在夏休みの期間に彼らが行っているのが、小学生に夏休みの宿題を教える「寺子屋」や、熊本大学、早稲田大学の学生の協力で実現した高校生対象の「オンライン進路相談会」、青果店とのコラボによる「“押し野菜”のアクセサリー・ハーバリウム販売会」、来街者が店主とじゃんけんをしながらスタンプを集めて景品を獲得する「コカリンピック」。加えて、こうした取組みを来年以降も持続させるためにクラウドファンディングにも挑戦中だ。

昭和の面影が残る子飼商店街の通り(左)、休憩所兼フリースペース「ひとやすみ」にて下川理事長の話に熱心に耳を傾ける高校生たち(右上)、青果店とのコラボ企画で作成した「押し野菜ハーバリウム」(右下)

 子飼繁栄会商店街振興組合の理事長・下川弘さんは、最初に高校生たちからこれらの企画の提案があったとき、正直「本当にそんなことができるのか」という気持ちがあったという。しかし、彼らが商店街のため何ができるかを真剣に考え、店舗一つ一つに足を運んで説明を行い、アイデアを実行に移していく姿を見て、「子飼商店街を熊本の若者の新たな挑戦を受け止める場所にしたい。そのために全力でバックアップしたい」と心の底から思うようになった。「今年の夏は大雨が続き、さらに、コロナの状況も先が見えないという不安な状況の中、高校生や大学生の頑張りがこの街を明るく照らしてくれています。その頑張りに応えられるよう、私たち商店街のメンバーも商店街のこれからに真摯に向き合い、活性化に向けて積極的に舵を切っていきます」と、下川さん。子飼商店街は若者たちとともに、未来に向けて一歩一歩進んでいく。



(※)「私学の魅力アップ事業」とは、県内の私学各校が「選ばれる私学」に向けて魅力を高めていくために、自ら創意工夫して行う取組を支援することを目的とした熊本県の事業。各学校が社会環境の変化に対応し、学校や生徒のニーズを踏まえ、自らの将来像を見据え企画した事業計画について審査を行い、優れた取組に対し予算の範囲内で補助金を交付している。

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