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商店街の店舗が高齢者のコロナワクチン接種の予約をサポート【長野県駒ヶ根市・広小路商店街他】

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商店街のお店の中で店主や従業員がコロナワクチン接種の予約をサポート

 長野県駒ヶ根市は6月8日より、商店街の店舗がコロナワクチン接種の予約をサポートする取り組みを始めた。和菓子店や茶舗店、洋品店など市街地の13店舗が協力店として登録し、8日だけでも100人を超える高齢者がこの仕組みを利用して予約を行った。

 4月下旬に電話とインターネットによる1回目の高齢者向けコロナワクチン接種の予約受付を実施した駒ヶ根市では、他地域と同様、電話回線が混雑してつながらないという状況に陥った。その事態を改善するためには、インターネットでの予約を促す必要があるものの、高齢者はインターネットを不得手とする者が多い。そこで市は、高齢者のインターネットでの予約をサポートする方法を検討、白羽の矢が立ったのが商店街だった。

 「市では、2回目の予約開始を前に、予約サポート会場を市役所や公民館など4か所に開設することを検討していました。しかし、もっと生活に近い場所でサポートできないかと、担当部署から相談があり、その時に、商店街のことが頭をよぎりました。商店街のお店のお客さんは高齢者が多い、それなら店主の方たちにお願いしてはどうか、と考えたからです」と、駒ヶ根市商工観光課の担当者は経緯を話す。店主たちに掛け合ったところ、「コロナ禍の中で、自分たちも何かできないかと考えていた。自分たちも高齢者。それならば、まず自分たちがインターネットで予約してみて、そのやり方でお客さんをお手伝いすればいいんだね」と快く引き受けてくれたのだという。

 こうして、JR駒ヶ根駅前、広小路商店街を中心に市内にある13の商店と事業所が「駒ヶ根市コロナワクチン予約サポート協力店」となり、受付開始の前日7日に事前研修を受講。準備万端で、8日からの高齢者向けのワクチン接種サポートサービスが始まった。予約希望者はあらかじめ店に電話でアポイントを取り、市から郵送された接種クーポン券の入った封筒を持参する。店主たちは、店のパソコン等を使って、希望者のためにワクチン接種を予約し、同封の冊子に予約日を記入して手渡すという作業を行う。

 協力店の一つ、「和スイーツ圓月堂」の店主・浦野利彰さんは、常連客だけでなく、今まで来店したことのない人たちも今回のサポートを受けに来ていることから、それだけ、多くの人に必要とされているサービスだと実感しているという。市の地域活性化の取組みを行っている団体「こまがねテラス」の会長でもある浦野さんは、「高齢者はスマホの操作も覚束ない方が多く、インターネットでの申し込みに途方に暮れている方が多い。なので、皆さんとても感謝してくださって。今まで、街の可能性やニーズを探りつつイベントなどを行ってきた私たちですが、今回こういう形でお役に立てたことを、とても嬉しく感じています。この取組みを通して、自分たちの街に対していろいろなお手伝いの方法があるのだな、と改めて気づきました」と語る。コロナワクチンの予約サポートを通じ、街の活性化の新たな可能性も広がりそうだ。

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