福岡県北九州市の旦過市場商店街が、コロナ禍に負けずに商店街の魅力発信と集客につなげようと国のGo To商店街事業を活用し、公式のスマートフォンアプリ「旦過市場商店街 ~アプリで便利にお買い物~」の運用を始めた。
北九州の台所と称される同商店街は、生鮮食品店を中心に120店舗が所狭しと並び、地元住民だけでなく国内外から多くの観光客が訪れる場だ。しかし、長引くコロナ禍でその数は大幅に減少し、苦境に立たされる店も少なくない。集客のための手立てが必要なものの、感染拡大防止の観点からイベントの開催が出来ず、そんな中注目したのが商店街アプリの導入であった。
「旦過市場は、毎日新鮮な魚や野菜などが店頭に並び、各店のおすすめ商品も日々変わります。アプリはそんな旬の情報をダイレクトにお客さんに発信することができ、それをきっかけに商店街に足を運んでもらえたら」と話すのは、 同商店街副会長中尾憲二 さん。市内のIT企業に協力を依頼し、この2月にアプリをリリースした。
来街を促すためには、まずアプリの存在を知ってもらうことが重要だ。そこで、アプリをインストールした人を対象に、総額100万円分の賞品が当たるキャンペーンを実施した。商店街の商品である福岡県産のあまおうやお米の食べ比べセット、魚や肉などの商品を詰め合わせた豪華な旦過直送便などを用意したところ、またたく間に2000件以上の応募が。一気に商店街アプリの存在を大勢へ周知させることに成功した。
運用から3か月たった今も、毎日ページをチェックしてくれるコアなファンがいたり、実際にお店に足を運ぶ人の数も増え、売上アップにつながるなど、効果を実感しているという。
「アプリを登録してくれたお客さまの中には、板前やシェフの方もいらっしゃるので、旬の先駆けとなる、より新鮮な情報を発信できるように心掛けています。うちは駅からのアクセスも良いので、普段のお買い物などの隙間時間でふらりと立ち寄ってもらえたらいいですね。現在、旦過市場では再整備事業が進められており来年には大規模な工事が始まります。工事中でも多くのお客さまにリピートしていただけるように、今後は来街ポイントがつく仕組みも整えようと考えています」と中尾さんは意欲的だ。