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商店街の一角で“まち”と“ひと”をつなぐまちのえき「MD Library」が誕生【埼玉県羽生市・松原通り商店会】

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プレオープンイベントの様子。棚にはたくさんの本が並ぶ

 埼玉県羽生市の松原通り商店会で、空き店舗をリノベーションした小さな図書室「MD Library」が誕生し、3月27日にプレオープンのイベントが開催された。「MD Library」は、市・商工会・商店街・地元有志で構成されるMALL DESIGN実行委員会の活動拠点として運営される。図書室のほか、セミナーや自習室など様々な用途での利用が可能となる予定だ。

 このMALL DESIGNのプロジェクトは、令和元年度に、県の「NEXT商店街プロジェクト事業」に、羽生市の3商店街(松原通り商店会・羽生市中央商店街協同組合・上町商店連盟)が選ばれたことを機に立ち上がった。 “未来の商店街(=MALL) をデザインしよう”とのコンセプトのもと、活性化の取り組みが進められている。

 そんなプロジェクトの活動拠点として誕生したのが、「MD Library」だ。活用した建物は、約20年前に閉業した木造一部鉄骨造りの2階建ての元洋品店。2階の和室部分を取り除いて吹き抜けを作り、外の光を取り込んだ落ち着きのある空間をつくった。

寄付された本にまつわる思い出がずらり。しおりへの書き込み作業では、地元の高校生の手伝いもあった

「活動拠点でありつつも、この場が、まちとひとをつなぐ地域交流の拠点になればと実行委員と考えました。コロナ禍で人との交流が薄れるなか、人だけでなく、そこにある物や思い出、様々なストーリーが交錯する場になればと、設置する本や家具は街の人から寄付を募り、その際に、思い出も一緒に教えてもらうようお願いしたんです」そう話すのは、実行委員会事務局の西田雅博さん。

「まちのために役立ててもらえるならぜひ」と、続々とイスやテーブルが提供され、本に至っては8000冊以上と棚に並べられない程の量が寄付された。これらの本や家具にはポップやしおりがつけられ、「子どもが小さいころ読み聞かせていました」、「アパートの時使用していた。妻が選んだ。緑のアクセントがお気に入りだった」と、一緒に思い出も紹介されている。

 こうして誕生した街の人々の思い出がいっぱい詰まった「MD Library」。プレオープン当日は、ワークショップや軽食を提供する小さなイベントが開催された。感染症対策としてチラシの手配りやSNSでの広報にとどめたが、10時~17時の間で総勢300名もの人が代わる代わる訪れた。4月いっぱいは、プレオープンの期間として、受付をすれば無料で図書室を利用することができる。この期間に利用者の意見をすくい上げ、5月以降の本格始動に向けて制度を整えていく構えだ。

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