兵庫県尼崎市の阪急塚口駅北口にある商店街、「塚口笑店街」(=塚口商店街振興組合)が、商店街の「日常」を紹介する情報誌を発行した。『笑える今日がここにある 塚口笑店街』というタイトルのこの冊子には、営業自粛を余儀なくされ、いつ日常に戻れるのか分からない今こそ、お客さんやまちの人に「日常」を思うことで心を軽くしてもらいたい、という店主たちの気持ちが込められている。
飲食店や美容院など駅前に約30店舗が並ぶこの商店街が「塚口笑店街」と命名されたのは、6年前のこと。「うちの商店街は、何か特別なものがあるっていうわけではないけれど、どのお店に行っても、いつも笑っているよね」― 当時、商店街組織の運営改善を目的に、組合員間の意見交換を活発にするために新たに発足した「活性化委員会」の席で、店主から発せられたこの言葉が、名前の由来になっている。以来、塚口笑店街は、ボトムアップで組合内の意見を吸い上げながら、「塚口笑店街文化祭」と銘打ったワークショップのイベントや「塚口うまいもん昼ズひるのみ」というバルイベントなど、店主たち自らが楽しんで街を元気にする取組みを数多く生み出し、笑いが絶えない心安らげる商店街として、その魅力に磨きをかけてきた。
今回の情報誌『笑える今日がここにある 塚口笑店街』の発行は、国の「Go To 商店街事業」を活用したもの。今なお月に一回開催されている「活性化委員会」での話し合いで、「集客イベントはコロナの感染状況によっては実施できない可能性もある。だから、紙媒体や動画による情報発信で、商店街の魅力をPRする取組みをやろう」という意見が多く出たことから、企画された。
この情報誌には、商店街の何気ない日常のシーンが、店主とお客さんの生き生きした動きのある表情(笑顔)とともにふんだんに掲載されていて、フォトブックのような仕上がりとなっている。「このまちで繰り広げられる小さな日常は、笑いがいっぱいつまった、まるで“喜劇”のようなもの。その喜劇のシーンを一つ一つ丁寧にカメラに収めてもらいました」と、理事長の村上憲司さんは話す。
A4(変型)判28ページの冊子の中には、知っているとお得なまちの情報や、商店街をうちで楽しむ方法(テイクアウトの紹介)、美容師が教える、おうちでできる髪のお手入れ方法など、コロナ禍でも日常の生活を楽しくできるアイデアが詰まっている。
「『活性化委員会』は非常事態宣言下でもリモートで続けており、お客様に安心して商店街を楽しんでいただくようにと、店主たちが知恵を出し合っています。この情報誌の発行の他にも、YouTubeチャンネルを開設して、各店舗が相変わらず元気いっぱいの様子を発信しています。店主たちは楽しいこともしんどいことも全部笑顔に変えています。その様子をご覧になって、皆さんもぜひとも笑顔になっていただければ。そして、コロナが収まったら、また商店街に笑いに来てくださいね」と、村上さんは語りかけている。
※ 情報誌『笑える今日がここにある 塚口笑店街』のダウンロードは、 こちらをクリック。
※塚口笑店街のその他さまざまな取組みは、こちらをご覧ください。⇒塚口笑店街HP
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