緊急事態宣言の再発令を受け、品川区は、時間短縮営業が余儀なくされている飲食店と、新型コロナウイルス感染症の治療にあたる医療従事者を支援しようと、「品川区飲食店・医療従事者応援プロジェクト」を開始した。
このプロジェクトは、感染者急増で医療体制がひっ迫する中、品川区商店街連合会が、加盟する区内の飲食店に弁当を発注し、それを感謝の気持ちを込めて医療機関に無償提供するもの。配達費や弁当代など事業費の全額は区が負担することで飲食店と医療従事者双方の支援をする。
昨年春の緊急事態宣言時にも、区と同連合会等は「しながわ商店街応援プロジェクト」を実施している。その時に、区職員有志による区役所へのデリバリー発注で飲食店を応援しようという企画「しながわデリバリー」を行い、そのノウハウも活かしたため、今回のプロジェクトはスムーズに実行に移すことができたという。
同プロジェクトの期間は3週間。初週は13店舗、2、3週目は各14店舗の合計41店舗が交代で参加する。イタリア料理、中華、エスニック、そば、お好み焼き等、地元飲食店自慢の多彩なメニューが楽しめる。
1月18日、さっそく東京品川病院に色とりどりの13種類300食の弁当が届けられた。
弁当には、「終わりが見えないような状況の中、皆様がお仕事してくださっていることに感謝します」「みんなの命を守ってくださりありがとうございます」などメッセージが添えられており、受け取った病院スタッフたちは思わず顔をほころばせていた。
品川区商店街連合会事務局の榎田陽子さんは、
「メッセージは、飲食店の方々が『感謝の気持ちを表したい』と、自発的に用意してくれたものです。この取組みには、お店同士が声をかけ合って参加してくれたり、商店街役員の方が積極的に周知に協力してくれたり、商店街ならではの団結力、情報伝達力が活きました」と笑顔だ。
東京品川病院には、平日は300食、土曜は120食の弁当が届けられ、今後は同じく新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れている同区内の他病院への提供も予定しているという。
榎田さんは、
「医療従事者の方に感謝の気持ちを示せる良い機会になったと参加店からも好評です。今、飲食店は時短営業を余儀なくされていますが、自粛期間は普段より地元での消費が生活のなかの選択肢に入ってくるので、頑張り時でもあります。お弁当には、お店の紹介や割引クーポン等をつける工夫をしている店舗もありますので、地域のお店をもっと知ってもらうチャンスにも繋がれば嬉しいですね」と話している。