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住みやすいコミュニティをつくるため、学生たちとともに活動する商店街【神奈川県横浜市・左近山ショッピングセンター】

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クリスマスマーケットの様子。手前の円形に配置されたブースで学生が活動。自治会と商店街も奥のブースで一緒に場を盛り上げている

 神奈川県横浜市旭区の約4800戸を有する大規模な左近山団地(UR都市機構)。その中にある商店街「左近山ショッピングセンター」にて、12月13日(日)、小さなクリスマスマーケットが開催された。主催は同商店街で交流スペース「ほっとさこんやま」を運営するNPO法人「オールさこんやま」。企画したのは、左近山団地でまちづくりの活動を行っている大学生だ。

 横浜市旭区がUR都市機構、横浜国立大学と協定を交わし、左近山団地にて学生の移住によるコミュニティ再生事業に着手したのが2017年の春。自治体が中心となって立ち上げたNPO法人「オールさこんやま」が、同団地に入居する横浜国立大学の学生たち4人を迎え入れ、学生と地域住民の交流プロジェクトが始まった。その後学生たちは、「サコラボ」という団体を結成し、まちづくりに興味をもつ他大学の学生らも受け入れてメンバーを増やしながら、自治体と商店街との協力のもと積極的に活動を行っている。

 学生の企画イベントで、特に住民たちに人気のあるビアガーデン「サコノミ」は、交流スペース「ほっとさこんやま」で飲み物を提供し、食べ物は学生が客から席でお金を預かり、商店街の肉屋、魚屋、豆腐屋、八百屋にお使いに行って調達してくるというもの。他にも、交流スペースでご飯とみそ汁を用意し、学生がおかずを商店街で調達して定食を提供するイベント「サコメシ」などを頻繁に実施し、学生たちは商店街の売上に貢献しながら、住民や店主たちとの交流を進めている。さらに昨年の12月には、商店街の空き店舗を活用した新たなコミュニティ拠点「左近山アトリエ131110」もオープン。左近山団地での活動は学生のみならずアーティストたちも加わり、さらなる広がりを見せている。

イベント実施のアナウンスを聞いた、団地に住む人々が会場に集まってきた

 13日に開催されたクリスマスマーケットには、スパイスカレー、ホットチョコレート、コーヒーの屋台に、みかんのつかみ取りコーナーと子ども向けDIYワークショップのコーナーが設けられた。自治会、商店街のメンバーも、たこ焼きや甘酒の屋台を出して、一緒に場を盛り上げる。イベント実施のアナウンスが団地に流れると、住民が商店街の広場に集まってきた。興味深げに屋台を覗き込み、楽しそうなおしゃべりも始まった。

 今回のイベントを企画した中心人物は、「サコラボ」での活動経験もある大関羅捺さん(横浜市立大学3年)。今年の8月、猛暑の中をほぼ1か月間毎日、商店街で購入した食材でスパイスカレーをつくり、屋台で販売するという活動を行っていた“ツワモノ”だ。「大好きなカレーでまちづくりがしたいと思って、ここ左近山で活動しています。活動を積み重ねていくことで、このショッピングセンターを、ただモノを買いに行く場所ではなく、“あの人に会いたいから、話したいから行く”という場所にできたらいいな、と思っています」と語る。

 左近山ショッピングセンターの青木栄一会長は、こうした学生たちの活動のよき理解者だ。「商店街は以前から、住民同士の結びつきを強めようと、毎月のように祭りをはじめ地域の特性を生かしたイベントを継続して行ってきました。その結びつきがここ数年、学生たちと一緒に活動するようになってから、ぐんと強まったと感じています。少子高齢化という問題を抱えた団地ですが、それでもこうした住民同士の絆がしっかりと感じられるコミュニティがあれば、一人暮らしの高齢者の方も心強いはず。大学生、それからアーティストという、若くて柔軟な考えを持つ仲間と一緒にアイデアを練り、形にしていくことで、これからも課題をひとつひとつ解決していきたい。」あたたかく住みやすいコミュニティをつくるため、商店街は学生らとともに歩み続ける。

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