富山県小矢部市の石動駅前商店街が、11月1日に「OYABEお宝マルシェ」を開催した。約300メートルの通りに、フリーマーケット、クラフト市、農産物販売所などが並んだほか、商店街の店もワゴンセールを実施し、多彩なラインナップで来場者を迎えた。
これは、地元の商店街店主と地域住民らで組織される「NPO法人石動まっちゃプロジェクト」が企画し、昨年からスタートしたものだ。
「毎年春と秋にコスプレイベントを開催していましたが、若い人向けのイベントだったため、このうち1回は子どもからお年寄りまでみんなで楽しめるものを、ということになったんです。そこで、マルシェの実施が決まりました」と、同プロジェクトで広報を担当する白川克則さん。
2回目を迎えた今年は、コロナの影響で一時期中止となる可能性もあったが、「恐れてばかりではいけない。前に進まなくては」と、開催を決意したという。今回は新たに古本市も加わり、これを目当てに初めて訪れた来場者の姿も。また、このマルシェには空き店舗解消の狙いもある。元呉服店での和物クラフトの販売や、元床屋さんでの骨董品・古レコードの販売など、商店街での出店希望者に空き店舗でお試し出店をしてもらった。マルシェを通じて商店街の良さを感じてもらい、これを機に将来本格的な出店に繋がればとの考えだ。
「当日は好天にも恵まれ2000人近い人出となり、皆さん楽しみにされていたんだと思うと嬉しい限りです。運営面では地元の石動高校の生徒たちも接客やレジを手伝ってくれて、本当に助かりました」と、白川さん。
商店街をあげての集客イベントとしてはコロナ後初となったが、同プロジェクトのメンバーは、これまでただ静観していたわけではない。5月、催事の中止や営業自粛の影響で菓子や花などの在庫を大量に抱えている店があると聞いたメンバーは、それらの商品を詰め合わせて販売しようと提案。「おやべ元気ボックス」と名付け第3弾まで実施し、計950個を売り上げた。
その元気ボックスが、お歳暮の時期に再び復活を遂げる。毎回予定数を超える注文があったことから、今回は思い切って1000個を用意。1箱3000円(発送の場合送料別)で、11月下旬から12月中旬まで3回に分けてお渡し・発送を行う。
商店街と地域住民たちは、コロナ禍にもめげず様々な切り口で地域を元気にしている。