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「地域のために文化財を守る」寺と商店街が応援協定締結。【神奈川県横浜市・横浜弘明寺商店街協同組合】

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  8月20日に弘明寺で行われた協定締結式のようす

 横浜市内最古の寺で、坂東三十三観音霊場の第十四番札所としても知られる弘明寺と、隣接する横浜弘明寺商店街協同組合が、このほど火災時の消火活動の協力などを定めた消防相互応援協定を締結した。

 平安時代に建立されたという弘明寺には、国の重要文化財に指定されている「木造十一面観音立像」があり、日ごろから地元はもとより遠方からも多くの参拝客が訪れている。
 横浜弘明寺商店街協同組合は、弘明寺かんのん通り商店街という愛称で親しまれ、寺の参道として発展してきた歴史をもつ。全長312mのアーケードがあり、軒を連ねる約130の店舗には、生鮮品や日用品はもとよりオリジナル商品を扱う名店もあり、地域からの信頼も厚い。「人情・下町・門前町」をキャッチフレーズに、お年寄りから子どもまでが安心して生活できる街づくりにも取り組んでおり、コロナ禍においては、飛沫防止シートの共同購入や、感染予防の普及活動を商店街一丸で行う等、積極的に対策を講じている。
 

本尊の木造十一面観音立像( 国指定重要文化財 )は平安中期の作

  寺と同商店街は、毎年1月の文化財防火デーには、横浜南消防署及び南消防団と連携した防災訓練を実施するなど、日ごろから地域を含めた交流や協力を行ってきた。

 そんな中、昨年4月にフランス・パリのノートルダム大聖堂、10月には沖縄県の首里城などが相次ぎ火災に見舞われ、内外の重要な文化財建造物の防火対策に注目が集まるようになり、それは弘明寺においても例外ではなかった。そこで、消防署の助言をもとに検討を重ねた結果、これまで培ってきた連携をさらに強いものにするために、今回の消防相互応援協定の締結に至ったという。

 横浜弘明寺商店街協同組合理事長の長谷川史浩さんは、

「この地で暮らす私たちにとって、弘明寺観音さまは身近で当たり前にあり、かけがえのない存在です。今回、協定を結ぶことで、国の重要文化財である観音さまの大切さを皆で再認識し、それが商店街をはじめ地域全体の防災意識の向上に繋がれば嬉しいです。大事なふるさとを協力して守っていきたいですね。」と話す。

 この協定では、寺で火災が発生した場合には、

協定締結式では、さっそく商店街から寺にブルーシートが提供された

 横浜弘明寺商店街協同組合は、

 ・駆けつけて初期消火に当たるほか、寺院関係者の避難誘導、応急救護を実施する

 ・震災や風水害時においても重要文化財等をブルーシートで覆うなどの保護活動を実施する

 弘明寺は、

 ・商店街が地震等の災害で被災した際、所有する駐車場や寺院の一部を一時避難場所として開放する
 
 などが定められている。

 8月20日には、寺と商店街の他、消防署、消防団も参加して協定締結式が行われ、さっそく商店街から寺に大判のブルーシート2枚が提供された。

 重要文化財を保有する施設(寺院)と地域(商店街)がこのような協定を結ぶのは全国的にも珍しく、神奈川県内では初だという。

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