新型コロナウイルスとの長期戦が見込まれる中、愛知県半田市中心部の半田中町商店街が、ウイルスと共存しながらも、安心して社会経済活動を行うための独自のガイドラインを作成した。さらに8月末には、「中町発 新しい生活様式」と題したPRポスター1万8000部を加盟店舗と周辺世帯に広く配布。誰もが安心して暮らせる地域づくりを目指していく。
「誰しもが感染者になりうる状況の中で、私たちが出来ることを改めて考えました。商店街の良さは何と言っても人のつながり。このつながりの力を、予防活動とともに、り患者が出ても安心して生活できる土壌作りに役立てたいと思いました」と、話すのは同商店街振興組合理事長の鈴木雅貴さん。
そうして加盟店の店主たちと話し合った結果、商店街ならではのガイドラインを作成することを決定。6月からスタートした会議では、地域住民の声も反映しながら、市職員、まちづくりを専門とする日本福祉大学の教授にも協力を仰ぎ、意見交換を重ねた。
「今は感染者が出ると批判される状況。でもこれからは、コロナと共存しながら地域経済を回していく必要がある。そのためには、り患した人が回復後、生活に戻っても差別されることなく、地域のつながりで見守っていくことが大事です」と鈴木さん。
ガイドラインには、3密の回避、手洗い・消毒の徹底、マスク着用など感染予防に努めることはもちろん、万が一、り患者が出た場合に、風評被害を抑え必要な情報共有を図るための指針も記されている。
キャッチコピーも、コロナと共存する新しい未来を前向きに捉えられるように、「いいかもwithコロナ」に決定。PRポスターには、「少人数で楽しく食事しよう」「つながりを大事に元気で楽しく暮らそう」などのフレーズが、分かりやすいイラストとともに盛り込まれた。
さらに商店街では、「nakamachi made in handa」のロゴをアクセントにしたオリジナルマスクを製作。加盟店みんなで着用し、一体感をもってこれらの活動を地域にアピールしていく。マスクには地元特産の知多木綿を使い、縫製も市内の企業に依頼した、まさにメイドイン半田のオリジナルマスクだ。
鈴木さんは、「必要な情報共有を図り、地区一人一人の健康・生命を守ることは自分を守ることにつながります。こんな時だからこそ、お互いさまの気持ちと前向きな姿勢で今の状況を乗り越えていきたいですね」と話している。