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コロナ危機を乗り越えよう!アイデア満載の仕掛けで集客に尽力【京都府京都市・納屋町商店街振興組合】

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「ゆかたdeカランコロン」の為に用意したフォトスポットは3カ所。お祭り気分を味わえると好評だ

 新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し各地でイベントの中止が相次ぐ中、京都市伏見区の納屋町商店街が、知恵を絞った様々な取組みで集客に繋げようとチャレンジしている。

 同商店街では、4月の緊急事態宣言以降、予定していたすべてのイベントが中止となり、外出自粛による来客数の激減も相まって日に日に商店街存続への危機感を募らせていた。
 そこでまず考えたのが、集客を分散させて“密”を避けるイベントの実施だ。
「今までのイベントは1日単位の開催のため人が集中していましたが、実施期間を長くすることで、分散して集客ができると考えました」と、同商店街振興組合で理事長を務める小林満さんは語り、企画担当理事の藤崎壮滋さんや事務局スタッフを交えて日夜頭を絞ってきた。

 こうして発案されたのが、1カ月間のロングランイベント「ゆかたdeカランコロン」だ。このイベントは、8月1日からの期間中、浴衣を着て商店街の店で買い物や食事をするとスタンプが貯まり、集めたスタンプの数に応じて、人気の商店街のゆるキャラ「なやまっち」グッズがもらえるというもの。祭りや花火大会が中止になっても浴衣を楽しめる場ができたと住民の反応は上々で、設置した風鈴のフォトスポットも連日賑わいをみせている。商店街内に呉服店が3軒あることも功を奏し、店の常連客を中心に浴衣での街歩きを楽しむ人が増え、じわじわと来街者が戻りつつあるという。

「川柳コンテスト」はネットからの応募も可能で、外出を不安視する人も安心してイベントへ参加できる。子ども向けのお絵描き企画は、審査員を務める地元の龍谷大学生のアイデア

 さらに工夫を凝らした取組みとして挙げられるのが、コロナで感じたモヤモヤや閉塞感を一句に込め、皆で笑い飛ばしてしまおうという、「川柳コンテスト」である。学齢未満の子どももお絵描きで参加することができ、大人も子どもも楽しめる企画にした。家族で商店街を訪れて、親や祖父母の句と子どもの絵を同時に鑑賞してもらおうと、9月からは入賞作品の掲示も行う。「機転の利いた取組みで勉強になる」との声が近隣の商店街から寄せられている他、全国各地から応募が届くなど多くの反響を呼んでいる。

ことわざ 」と「感染予防のマナー」上手く組み合わせた注意喚起の垂れ幕。商店街の人気者「なやまっち」もマスクをして一緒に感染防止に取り組む

 困難な状況にも屈せず、次々と策を講じる同商店街。現在、アーケードには感染予防マナーの垂れ幕が掲げられているが、その内容もユニークだ。「口は災いの元―マスク&咳エチケットを忘れずに」と、ことわざを使った親しみのあるかつ斬新な切り口で街行く人への注意喚起を行っている。このことわざの感染予防マナーは動画配信も行っており、子どもにもわかりやすい、と評判だ。

 「単にイベントや情報発信を行うだけでは、なかなか人の心には響きません。販促物やイベントは、知恵を絞って、工夫を凝らして、新しい方法に挑戦することの連続。伝えたいメッセージがお客様に届き、響いたら成功ですが、失敗もあります。今の状況で派手なことはできませんが、魅力ある商店街を目指しユーモアを忘れずに様々なことに取り組んでいきたいです」と、 藤崎さんらは更なる企画へと前向きだ。

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