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地域の縁を結ぶ、商店街オリジナル日本酒「中町エニシカル」完成!【島根県出雲市・中町商店会】

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    個店活性

     昨年12月の 酛づくり の様子。

 島根県出雲市の出雲市駅からほど近い中町商店会(サンロードなかまち)が、この春、商店街青年部(わくわく会)を中心に初めて完成させたオリジナル日本酒「中町エニシカル」が話題になっている。

 中町商店街は、物販店、飲食店などさまざまな店舗が連なるアーケード商店街。明治初期創業の造り酒屋「旭日酒造」と、酒販店3軒があることでも知られる。
 以前から「商店街で何か楽しく持続性のある取り組みができないだろうか」と探っていたところ、昨年、わくわく会のメンバーから「この造り酒屋があるという商店街の持ち味を活かして中町商店会オリジナルのお酒を造ろう」という案が浮上。話し合いを重ねて「皆で中町の酒蔵で酒造りに関わり、中町の酒屋で販売し、中町の飲食店で味わってもらおう」という企画をスタートさせた。

 取組んだ日本酒造りは、生酛(きもと)造りという自然の菌や微生物の働きを使った伝統的な製法。もとになる酒母を水と米と米麹から昔ながらの手作業で造り上げる、言わば酒造りの原点と言える方法だが、手間と時間がかかることから、近年手掛ける酒蔵は全国的にも数が少なくなっている。商店街のメンバーが“自分たちの手で造った”という実感を得られることもあり、この方法を敢えて選択したという。
 
 昨年12月に行われた生酛造りならではの象徴的な工程、酛(もと)づくりには、商店街のメンバー延べ20名が参加。それぞれ二人組になり息を合わせて、蒸米と麹と水を混ぜたものに3時間ごとに3回櫂を入れるという作業をほぼ一日をかけて行った。

 その後、約2ヶ月を経て完成させたのが純米吟醸酒「中町エニシカル」。縁を大切にする地、出雲ならではの「縁(えにし)」と持続可能・地産地消の「エシカル」を組み合わせて名づけられ、爽やかながら、ほのかな甘味もふくらむ奥深い味わいに仕上がった。

  完成した「中町エニシカル」

 企画を進めたわくわく会のメンバーは、
「この日本酒造りに商店街の皆が関わったように、中町に息づくご縁で繋がっている粋な出雲の町家文化が将来も続いていきますようにという願いがこめられています。さらに、今回は旭日酒造がこれまでの生酛(きもと)造りには使ったことのないお米を初めて使い、正真正銘の中町オリジナルのお酒が出来上がりました」と皆、笑顔だ。

 パッケージデザインにもこだわり、ラベル、ロゴは商店会内の印鑑専門店が吉数を考慮しながら製作し、ラベルの押印作業は商店街メンバーで行った。そうしてこの3月末から中町の飲食店での提供が始まり、4月4日からは3軒の酒販店でも一般販売が開始され、この商店街の初めての取り組みは各所でさまざまな縁を繋ぎ始めている。(※現在、新型コロナウイルスの影響で各店舗の営業日および営業時間に変更あり)

 「中町は、今、これまでまちを盛り上げてきた上の世代に、その思いを大切に引き継ごうという若い世代が加わって、やる気が溢れています。これからも“エニシカル”をキーワードに、商品やサービスを充実させ、出雲の玄関口であるこのまちから出雲全体を皆で盛り上げていきたいですね」と、メンバーたちは意気込んでいる。

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