滋賀県守山市のほたる通り商店街にて、商店街を遊びつくすイベント「商店街の楽しみかた展」が開催されている。昨年の12月20日にスタートし2月15日まで続くこのロングランイベントは、地域の人々が、商店街の30の各店舗をさまざまな角度から知るきっかけとなっている。
JR東海道本線守山駅付近は、中山道守山宿を中心に発達した商業地域であるとともに、天然記念物源氏蛍の発祥地としても有名な地域。現在も蛍が舞う環境づくりを進めながら、歩いて楽しく回遊できるまちづくりを目指している。この地域にあるほたる通り商店街は、1912(明治45)年に開業した守山駅の駅前の商店街としておおいに栄えたものの、1973(昭和48)年に駅舎が50メートル南(現在の位置)に移転したことで次第と人通りが減少し、店舗数も減少していった。
今回のイベントは、この商店街で90年間続いた老舗料亭の廃業がきっかっけとなり、企画されることとなったという。昨年4月に、料亭の店主から「まちづくりに活用して欲しい」と廃業後の店舗の活用を任されたまちづくり会社「みらいもりやま21」は、地元滋賀県の食文化を発信している人気の居酒屋を誘致、そのグランドオープンに合わせて、商店街全体を活気づける大きな仕掛けづくりを、と考えた。そして、地元の魅力を発信するウェブメディア「しがトコ」とともに、『食べる!』『見る!』『遊ぶ!』の3要素を駆使して商店街の30店舗を隈なく紹介する2か月間にわたるイベント「商店街の楽しみかた展」を企画・実施することになった。
『食べる!』要素としては、「ほたるマルシェ」「グランピング屋台」、『見る!』は「商店街の掘り出しもの展」「グラレコ商店街」、『遊ぶ!』は「守山謎解き商店街」「商店街体験プログラム」「もりやま珈琲日和」「商店街マップあしあとラリー」と、このイベントでは全8つの項目で商店街のさまざまな店を知りながら遊び倒すことができる。
マルシェや屋台は、「肉バル」「パン祭り」「こたつde熱燗学」など、毎週テーマを変えて歩行者天国で繰り広げられ、異なる店の逸品を味わうことができる。他にも例えば「グラレコ商店街」は、イベント実行委員である地元の大学生や高校生が店主にインタビューを行い、得た情報を絵図を用いてまとめ、ポスター展示したもので、若者の感性によってあぶりだされた店と店主の魅力が、わかりやすくポップに可視化され、見る人の心を楽しませている。これは、マルシェや屋台には業種的に参加が難しい理髪店などにスポットライトをあてる工夫だ。
「ほたる商店街が大好きな仲間が集まって、商店街の30店舗のすべての魅力を多くの人に伝えることができるよう、商店街を思う存分回遊して楽しんでもらえるようにと、工夫を凝らしています。このイベントをきっかけにして、この商店街に輝きを取り戻してもらいたい」と「みらいもりやま21」の石上僚さんは語っている。