福岡県行橋市の中心市街地商店街で2月3日、恒例の「ゆくはし商店街めぐり ひな祭り展」が開幕した。代々伝わるひな人形や「さげもん」と呼ばれる吊るし飾りを店舗に飾り、回遊する客の目を楽しませている。3月4日までの開催。
2004年に始まったこのイベント、今年はハミング通り、えびす通り、南本町商店街、西町商店街、中町商店街の5つの商店街から22店舗が参加。期間中はぜんざいの販売や琴の演奏会が予定されているほか、「ひなねこ絵付け体験」などの教室を提供する参加店舗も。
参加店舗の一つ、亀屋薬局では店主の銭場正治さんの妻浩子さん手作りの色鮮やかなさげもんや一般の方から提供された昭和初期のひな人形など飾られ、店内が華やいでいる。 店内の17個ものさげもんは浩子さんが長年こつこつと作り続けた作品。一つのさげもんには49本の吊るし飾りが下げられるのが一般的で、ひとつ制作するにも膨大な時間がかかる。一つ一つの飾りも手が込んでおり、多くても1年に2つペースだという。たくさんの飾りが天井からきらびやかに釣り下がる様子は圧巻で、期間中はこれを一目見ようと、遠方からも 多くの客が訪れるという。
伝統工芸品の柳川糸まりを習い始めたのをきっかけにさげもんの手作りを開始した浩子さんが、作品を見てもらおうと14 年前に始めたこのイベント。回を重ねるごとに参加店舗も増え、現在のような恒例行事となった。「たくさんの人に見てもらってしっかり継承していきたい。」と浩子さん。週一回糸まりの手作り教室も開催している。
初日の2月3日には商店街の路上で全長70mもの恵方巻きをつくるイベントも開催された。また、期間内、商店街内にある行橋赤レンガ館駐車場にて「第2回まちなかオブジェプロジェクト」も開催。公募によって全世界から選ばれた6カ国の彫刻家が2週間滞在し、商店街のシンボルになる彫刻を公開制作(2月19日から3月3日)する。