熊本地震発生からもうすぐ 2 年。熊本県では、地震の記憶を風化させないよう、そして、全国からの支援への感謝と熊本の魅力を伝えるべく、メディアを使 った復興プロモーションを展開している。
昨年度は熊本県出身・水前寺清子さんが歌う「三百六十五歩のマーチ」にのせたWEB動画「フレフレくまもと!」を公開。 そして今回、第二弾として、熊本復興ドラマ制作プロジェクト「ともに すすむ くまもと」がスタート。ドラマを通じて、被災地 の今を多くの方々と共有し、「ともに」熊本の復興に向けて歩みを進めていこうという狙いだ。
ドラマは、発災からわずか 2 ヵ月後にオープンし 2017 年 10 月まで営業していた仮設商店街「益城復興市場・屋台村」が舞台。県民の実話を基に、苦難に直面しても明るく前向きに生きる被災者を描いた約 20 分の人情ストーリー。熊本県出身の俳優を起用し、高良健吾さんと倉科カナさんが屋台村の理容室の夫婦役、中原丈雄さんが焼鳥屋店主を熱演している。 撮影は、県内最大の仮設団地「益城町テクノ仮設住宅」とその敷地内にある「益城テクノ笑店街7」で行われ、仮設団地で生活する被災者約 100 名もエキストラとして出演、当時の様子をリアルに表現した内容になっている。主題歌には熊本県出身のロックバンド「WANIMA」の代表作「ともに」を採用した。
公式サイトでは、高良さんら出演者やWANIMAメンバーの作品や熊本への熱い思いがインタビュー形式で掲載されてい る。「熊本の方はもちろん、全国の 1 人でも多くの方々に観ていただきたい」と出演者達は口をそろえ語っている。
1 月 31 日には完成試写会が益城町テクノ仮設住宅で行われ、エキストラや取材協力などで関わった被災者らが、自らの実体験と重ねながら、主人公たちが再建に向かう姿に見入った。2 月中旬に熊本市の映画館で一週間無料上映された後、今月 14 日から 3 日間、東京・渋谷で無料上映会が行われた。初日舞台挨拶には主演の高良健吾さんと倉科カナさん が登場し、100 人以上の一般参加者を前に、それぞれ復興に対する思いや撮影時のエピソードなどを披露した。「今も 4 万 人弱の被災者が仮設住宅での生活を余儀なくされています。地震から 2 年が経ち、あの頃のことがどんどん風化していく中、この映画を全国の皆さん、そして何より熊本の皆さんにご覧いただくことで、より多くの方々に熊本のことを考えていただくきっかけとなれば。」と県の担当者は期待を込める。
「ともにすすむサロン屋台村」は、公式サイト(http://tomoni-susumu.jp/)で3月30日から公開されるほか、東京ケーブル ネットワークで 4 月 1 日から 30 日まで毎朝 10 時に放送を予定している。