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地域への思いを行動に―「商店街フォーラム IN 熱海」開催 【全国商店街支援センター】

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パネルディスカッションの様子。左から中島さん、市来さん、櫻田さん、長谷さん、東さん。

11月20日(水)、静岡県熱海市にて、“地域への思いが人を動かす~まちを変える新たな風~”をテーマに「商店街フォーラム IN 熱海」が開催された。

株式会社machimoriの代表取締役で地元の熱海銀座商店街振興組合・理事の市来(いちき)広一郎さん、NPO法人まちサポ雫石(岩手県雫石町)・理事長の櫻田七海(なうみ)さん、帯広電信通り商店街振興組合(北海道帯広市)・理事長の長谷渉さんがゲストスピーカーとして登壇。商店街、行政、商工団体、大学関係者など100名を超える参加者と情報を共有した。

午後1時30分より約4時間にわたったフォーラムは、静岡県商店街振興組合連合会・増田恭子理事長の挨拶と全国商店街支援センター桑島俊彦代表取締役社長のオープニング講演を皮切りに、ゲストスピーカーによる事例発表(進行役:東朋治氏/株式会社商業タウンマネジメント代表取締役)、パネルディスカッション(進行役:中島裕一氏/中小企業サポートオフィス静岡代表)へと続いた。

平成19年から地元熱海で地域の人々とともに続けてきた市来さんのまちづくりの取組み。その活動は、地域体験ツアーの実施で、街の魅力の掘り起こしを行ったことに始まる。そして、発見したその魅力を来街者に伝えるべく、リノベーションの手法で熱海銀座商店街の空き店舗をカフェやゲストハウス、コワーキングスペースに変え、人々が街に滞在して回遊できる仕組みをつくっていった。市来さんは、近頃コワーキングスペースを核に、市と連携した創業者の支援事業も行っている。創業者を10年後の熱海の担い手と捉え、彼らが熱海で根を張れるよう、地元のネットワークを確実に築き上げられる独自のプログラムを実践している。今月9日には2つ目のゲストハウスが完成。「今後5年間で、市内の空き店舗を活用して100の宿泊スペースをつくり、観光客のみならず熱海に住む人を増やしていきたい」との目標を述べた。

櫻田さんは、岩手県雫石町のよしゃれ通り商店街を中心とする取組みについて発表した。雫石町は、少子高齢化による人口減少が非常に深刻な地域だ。しかし、人口減少をただ嘆くのではなく、その事実を地域の人々がしっかりと受けとめ、「工夫して暮らしていけるまちづくり」をめざしている。そのためには、商店街の店主や地域住民が、地域の課題や問題の解決を“他人(行政)にやってもらうこと”とせずに、“自分たちでやること”と捉える「我がごと化」が重要と考える櫻田さん。大小さまざまな話し合いの場を設け、そこで出る多様な意見を拾い上げながら、できることからこつこつと地域の人々と一緒に課題を解決している。櫻田さんが雫石で活動を初めてから7年目を迎える今、「これをやりたい!」という主体的な声が出てくるようになった。また、そういった声の実現化を「手伝おう」という人の輪も広がってきているという。雫石は60歳以上の女性の免許保有率が非常に低く、将来買い物難民が確実に増える地域である。未来に起こり得る社会の課題を見越し、商店街の店舗の商品の移動販売などの対応も開始している。

100名を超える参加者の皆さん

長谷さんが理事長を務める帯広電信通り商店街振興組合は、平成23年道内で初めて地域商店街活性化法の認定を受け、社会福祉法人やNPO法人とコンソーシアムをつくり、「お年寄り 障がいのある方と協働・共生する商店街づくり」を長期目標に定め、取組みを進めてきた。また、「“福祉”だけが目標だと一般客との距離ができてしまうかもしれない」と、美味しい食べ物が多い十勝の土地柄を活かした「スイーツ・ロードの形成」も短期目標として掲げ、福祉事業所と菓子を扱う店舗の誘致を同時に進めたところ、振興組合の会員数は32店舗(平成22年)から52店舗(現時点)へと増加、地域に多くの雇用が生まれた。社会福祉を軸とした商店街の活性化は、平成23年当時はどこの商店街も実施していなかった。「誰もやっていないことをやるには勇気が必要だったが、誰もやっていないからこそやりがいがあった」と長谷さん。取組みを始めると同時にまちづくり会社を設立し少人数で意思決定ができるようにしたことが、スムーズにことが運んだ要因だったそうだ。

他にも、「取組みを新しく始めるときの根回しの重要性」「行政との効果的なかかわり方」「地域をよく観察し、人々の話を聞くことの大切さ」など、さまざまな角度から3人の体験にもとづく意見が語られた。自ら資金面などでリスクを背負いながら、NPOやまちづくり会社を運営し、地域や商店街の活性化に尽力するゲストスピーカーたちの実体験と熱い思いは、会場に集まった多くの人々の参考になるに違いない。

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