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1万人が100回訪れる街をつくる仕掛け―『ホテル ロマンス座カド』誕生【静岡県熱海市・熱海銀座商店街】

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「ホテル ロマンス座カド」の部屋 窓からは街の様子が見える

2019年11月、熱海銀座商店街(静岡県熱海市)に新しい宿『ホテル ロマンス座カド』が誕生した。2015年オープンの『guest house MARUYA』に続き、訪れる人に“熱海のありのままの日常”を楽しんでもらうことを目指し、株式会社machimoriが空き店舗を改装してつくった2件目のゲストハウスだ。

株式会社machimoriの代表取締役で熱海銀座商店街振興組合理事の市来広一郎さんは、2007年から熱海でまちづくりの取組みを進めてきた。地域の人々とともに地域体験ツアーの実施で街の魅力の掘り起こしを行うことから始まったその活動は、“リノベーションまちづくり”へと移行し、商店街の空き店舗がカフェやゲストハウス、コワーキングスペースに姿を変えながら新たな来街者やコミュニティを生んできた。しかし、熱海銀座周辺のエリアには依然として空き物件が多数存在しており、昔ながらの小さな旅館や飲食店が廃業することも珍しくない。加えて、1階部分は活用されても、2階以上が活用されていない建物も大きな課題として残されている。

かつての映画館「ロマンス座」。この映画館の建物の角の2階~4階をリノベーションした

こうした課題に正面から取り組んだのが、『ホテル ロマンス座カド』のプロジェクトだ。このゲストハウスは、10年ほど前まで営業をしていた映画館の建物の一角の2階〜4階をリノベーションしたもの。4年前にオープンした『guest house MARUYA』がドミトリー風カプセルタイプの部屋を提供しているのに対し、こちらは「静かな個室タイプの部屋」をひとときの住まいとし、「熱海の日常をよりじっくりと味わいながら、この街の物語に入り込むような体験をしてほしい」という想いを込めてつくったという。

フロア・マップ。シングルルーム4つにツインルームが2つ。 広い空と海の見える屋上は共有のラウンジスペース

『ホテル ロマンス座カド』にはフロントや飲食機能がない。フロントは徒歩5分のところにある『guest house MARUYA』が、飲食機能は周辺の飲食店が担う。一見すると利用者にとっては非効率なこのスタイルこそが、滞在者に熱海の魅力を最大限に伝える仕掛けとなっていると、市来さんは言う。「熱海の楽しさの神髄は、街に積極的に出ることでわかります。街並みには今なお昭和の趣きが色濃く残り、小説や映画の舞台として使われた風景も少なくありません。映画のワンシーンのような喫茶店での時間、花のあふれる川沿いの遊歩道、特徴溢れる個人経営のお店、坂をくだった先に現れる海・・・街に出てもらう機会を少しでも増やして、都会の日常では決して味わえないこうした体験を楽しんでもらいたい。そのために宿の機能を街に分散させて、“街全体に滞在する”仕掛けをつくりました」

「100万人が1回訪れる街よりも、1万人が100回訪れる街」を目指す、熱海のまちづくり。熱海を訪れた人がこの街の魅力的な風景と暮らす人たちに出会い、つながり、そして、気づけば熱海のファンになって何度も訪れるようになる。こうした新しい旅のあり方を、「ホテル ロマンス座カド」は追求していく。

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