全国の多くの地域で子どもたちの夏休みが始まった21 日(土)、和歌山県和歌山市のぶらくり丁商店街では、毎年 恒例の「第 8 回 キッズ商店街 in ぶらくり丁」が開幕した。子どもたちを対象にさまざまな職業体験イベントを日替わりで行うこの催しは、この夏、約 1 か月間のロングランを予定している。
「キッズ商店街」は、市、商店主、学校で構成する「まちづくり連携事業運営委員会」が主催となり、商店街に賑わいを創出し活性化へとつなげる取組みとして、「ほんまもんの商店街で、ほんまもんの職人さんによる、ほんまもんの体験!」をキャッチフレーズに 2011 年に初めて開催された。当時 10 店舗 12 講座だったこのイベントは、 回を重ねるごとに参加店を増やし、今夏は 25 店舗(施設を含む)31 講座での実施となる。人出は、例年、6000~ 8000 人にものぼるという。
「仕事の体験を通して将来の夢を具体的に考えてもらいながら子どもたちの郷土愛を育もう」と、各店舗は講座に工夫を凝らす。例えば、老舗和菓子店「総本家駿河屋」では、和菓子職人が子どもたちに “ほんまもんの”和菓子づくりを伝授する。魚店「うお幸」では、店先に並ぶ魚の名前を教えるだけでなく、実際にその魚を使って子どもたちは寿司を握る。紀州三大陶窯「瑞芝焼(ずいしやき)」の職人と一緒に、てびねりの陶芸をつくるワークシ ョップもある。そのほかにも、パン屋、ぼうし屋、提灯絵付け、かばん職人、大工、エンジニア体験など、バラエ ティに富んだ講座が提供されるのが、ぶらくり丁の「キッズ商店街」の特徴だ。
今年は、和歌山ろうさい病院の協力も得て、医師や、看護師、薬剤師、リハビリ技師などの体験講座が新設され、 注目の的となっている。講座の大半は事前登録制となっているが、当日随時受付のものもあり、最終日の 8 月 26 日(日)まで毎日、商店街は元気な子どもたちで大いに賑わうにちがいない。
(※注)キャプションの「茶歌舞伎」とは、名を伏せていれたお茶の種類や産地を当てる、お茶の飲み当て遊び。 別名「闘茶」ともいう。鎌倉時代末期に宋からもたらされたとされる文化的な遊び。武家や公家、僧侶の間で大流行したといわれている。