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幕末の特産品「回文団扇」が100年の時を経て復活!商店街誘致のきっかけに【宮城県仙台市・荒町商店街振興組合】

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角型に書かれた「三酒の事」では、一つ一つの作品名までも回文になっており、幕末の奇才と称された所以を感じられる。丸型には仙台庵の有名な回文「飯前の酒今朝の戒め」が書かれている

江戸時代、麹の街として栄えた仙台市若林区の荒町。当時まちの特産品として人気を誇った「回文団扇」が、100年ぶりに荒町商店街の手により復活を遂げた。
回文団扇とは、柿渋を塗った団扇(渋団扇)に回文(上から読んでも下から読んでも同じ文になる言葉遊び)を書き入れたもの。もともと麹が作れない夏の内職として渋団扇が作られており、ある日麹屋の主人が回文を入れて販売したことがきっかけで誕生した。

「現在の荒町は、老舗の店とカフェなどの新しい店が混在した街並みとなっています。新規店への客入りは上々なものの、既存店では客足が減少している状態で、昔からある店にも、その歴史が織りなす雰囲気・価値ある商品など魅力は多く、そういった店を知ってもらうきっかけとして、商店街共通の土産品を作ろうと考えました」と、この企画の中心人物である美容院ビーアークプール店主の庄子康一さん。そこで、何かヒントを得られないかと荒町の歴史を紐解いたところ、幕末に流行った回文団扇の存在に辿り着いた。

「当時、麹屋の主人で酒と回文が趣味の細屋勘左衛門(仙台庵)という男がいました。仙台庵が回文と似合いの絵を入れた団扇を売り出したところ、町民の心を鷲掴み。それ以来人気の土産品として、大正12年頃まで作られていたそうです。仙台庵を研究する東海林恒英さんからこの話を伺ったとき、荒町商店街のお土産にはこれしかない!と思いました」と、庄子さん。

今回の制作は主に荒町児童館と連携し進めてきたが、それ以外にも多くの人の協力があって成り立ったものだ。荒町ではすでに団扇づくりの技術が途絶えていたため、今も渋団扇づくりを継承している、熊本県来民町の栗川商店に依頼。デザインは、仙台市在住のイラスト・グラフィックデザイナーの阿部拓也さんが手掛け、仙台庵直筆の挿絵と回文が入った江戸風の角型と仙台庵の酒好きが伺えるひょうたん柄をあしらった丸型の2種類が用意された。費用面では、児童館の運営主体である、特定非営利活動法人ワーカーズコープが中心となり発足した、「日本社会連帯機構『私たちの夢企画』」助成金の採択を受け、団扇制作が実現可能となった。

回文団扇は7/24に販売が開始され、今のところ商店街加盟店の8店舗で買うことができる。丸形のデザインは毎年変えていく予定で、土産品としての価値を常に生み出す工夫も忘れていない。

今回の目的は、店への誘致のため通販はせず店頭販売のみだが、今後、小学校での渋団扇づくり体験や回文教室の開催なども検討しており、子どもたちが「荒町にはこんなに素晴らしいものがあるんだ!」と、自分たちの街を誇れるようになってくれればとの願いも込められている。いずれ栗川商店から技を継承し、荒町での回文団扇づくりの完全復活を目指していく。

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