8月3日(土)~4日(日)、大阪府池田市の石橋商店街で、池田市とその近隣に在住の小学4~6年生を対象に、商店街に泊まって商店街での生活を体験するイベント「夏合宿 in 石橋商店街」が開催された。主催は商店街とその近隣の大学のコラボチーム「石橋×阪大」(石橋商店会×大阪大学学生)だ。
石橋商店会は、名所旧跡も公的機関もない石橋駅に隣接する商店街。その「何もない」と感じる中で見出したのが、最寄りにある大阪大学だった。商店街は、駅から大学への通学路の途中に位置している。そして商店街の有志は、「一緒に面白いことをしよう」と大学生にビラを配り声をかけた――これがチーム「石橋×阪大」の始まりである。空き店舗は大学生の拠点となり、商店街を面白くするさまざまな企画が生まれていく。気が付けば15年の月日が流れ、今では商店街は多くの阪大生にとって第二の故郷になっているという。
「夏合宿 in 石橋商店街」は、昨年「石橋×阪大」が打ち出した新たな企画「いしばし子どもプロジェクト」のコンテンツの一つ。石橋商店街を舞台に、子どもたちに商店街でしかできないことを体験してもらうことで、商店街を好きになってもらおうという試みである。
3日の昼過ぎ、子どもたち(16人)と大学生たち(現役3人、OB3人)は石橋駅前公園に集合し、結団式、オリエンテーションが行われた。そして、場所を商店街のコミュニティスペースに移し、3時まで阪大生が先生となって、夏休みの宿題を片付けた。それから、イタリアンレストラン「オーソレミオ」にてピザつくりを体験。銭湯「平和温泉」にて銭湯の入り方についても学んだ。その後は夕食の準備。子どもたちは商店街の店で買い物をし、デイサービスセンターにてカレーづくりを行った。長い一日の最後は、花火。そして、石橋南小学校で、阪大生と一緒に就寝した。
翌日の4日は、ラジオ体操で始まり、商店街のベーカリー「タローパン」にて自分たちの朝ご飯用のパンをつくる。その後、和菓子店「松家本舗」でお土産の和菓子もつくった。正午の解散まで、子どもたちは“商店街三昧”な夏の合宿を楽しんだ。
事務局を担当する大阪大学経済学部4年生の浅田圭佑さんは、「商店街の企画会議から参加させてもらって、貴重な経験をさせてもらっています。商店街の店主さんはご商売があり、イベントの募集などを行うのは大変。一方、僕たち大学生はイベントをやりたくても場所がないしお金もない。それが一緒になれば、こんなに面白いことができるんです」と、コラボレーションのwin-winな関係について語る。
商店街側からも、「最初こそ細いつながりでしたが、今では協力してくれる学生の数も、商店街側の理解者・賛同者の数も増え、とても強い協力体制ができています。私たち商店街にとって今や学生はなくてはならない存在です」(「タローパン」店長・堤洋一さん)との声が。
今後も、石橋商店街を舞台にどんな面白い企画が花開くのか、楽しみだ。