岡山市北区表町の中之町商店街に、この夏誕生したレンタルスペース「中之町てらす」が注目を集めている。
この中之町てらすは、空き店舗前のスペースを利用して設置された幅7m、奥行き1.9mの木製のステージ。空色の壁面には商店街に店舗を持つフラワーアーティストが20種類以上の草花で製作した装飾で美しく彩られている。ライブやアート発表の場として誰でも無料(営利目的での使用は有料)で借りることができる。
6月の設置以降、高校生がサックスを演奏したり、焼き菓子店の店主が中心となった鍵盤ハーモニカのグループが出演したり、学生の書道パフォーマンスや地元ラジオの公開収録が行われるなど、これまでに35を超えるイベントが続々と開催されている。
きっかけは、商店街近くに岡山の芸術・文化の発信と新たな賑わいづくりの拠点として岡山芸術創造劇場ハレノワが開館したこと。
今年9月の同劇場のグランドオープンに向け、「商店街にも市民が気軽に芸術活動を披露する場所をつくることで一緒に機運を高めたい」と中之町商店会が企画したという。
「近隣に楽器店も多いという土地柄もあるのか、予想以上に音楽ライブやパフォーマンス披露の場として活用して頂いています。店主さんの趣味の楽器演奏など意外な一面を見られたりすることも。ふだんはベンチを常設しているので、美しい花の装飾の前で写真を撮ったり、休憩スペースとしても子どもからご高齢の方まで便利にご利用いただいています」
と笑顔で話すのは、協同組合中之町商店会事務局の正分美智子さん。
9月24日には、岡山大学の起業部の学生が企画し、岡山理科大や地元の高校生とともにコピーバンドのライブやおからを使ったドーナツ販売、高齢者も参加できるカードゲームのブースなどを出店した「GAKUSUTE(ガクステ)vol.1 」 を開催した。パフォーマンスを披露する場としてだけではなく、地域の学生同士や、若者と商店街をつなぐ場所としても頼もしい存在となりつつあるようだ。
10月からも中之町も属する表町商店街全体でのイベントが予定されており、中之町てらすの活用の幅はますます広がりそうだ。