長崎県長崎市の住吉商店街で、一風変わったウォークラリー「アニマル店主を探せ!!」が8月4日から開催されている。「商店街の店主たちは実はこの土地を守る動物たちの化身“アニマル店主”だった」という架空のストーリーのもと、イラストに描かれた動物が、どのお店の店主か商店街を巡って探してもらおうというもの。毎月第1・3金曜日と土曜日の「店頭ワゴンセール」に合わせて行われており、参加者からはイベントを楽しむ声のほか、新しい店の発見に繋がったと喜びの声も上がっている。
このウォークラリーを企画したのは地元の福祉事業所(就労支援B型事業所たまご)。同商店街は「障害のある人もない人も共に生きる平和なまちづくり」をテーマに、これまで福祉事業所と共にGOTO商店街やSDGsなど地域活性化に取り組んできた。
そんな中、8月のワゴンセールに向けたミーティングでの何気ない会話をきっかけに今回の企画が生まれたという。ワゴンセールでは各店舗の場所やサービス内容を記した案内ボードを通りに設置するのだが、「ボードがさみしいからお店の人の似顔絵があったら面白いね」「動物にしたら可愛いいしにぎやかになりそう」と意見が上がった。そこで、店の営業で忙しい店主たちに代わり、福祉事業所のスタッフがアイデアを出して利用者に動物化した店主の似顔絵を描いてもらったのだ。
すると、その出来の良さに皆びっくり。「ボードに貼るだけではもったいない」と、福祉事業所の仲間たちで急遽このイラストを活用したイベントを考えることになった。商店街の近くに神社があることから店主たちがこの土地を守る動物たちの化身であるというストーリーを仕立て、夏休み期間の8月9月のワゴンセールに合わせた全3回(計6日間)の中で、23名のアニマル店主を探すウォークラリーの開催が決まった。
第1回は8月4日、5日、つづく第2回は18日、19日に開催。参加者は解答用紙のイラストをヒントに商店街を回るのだが、その似顔絵が秀逸だ。「ふとんを抱えたカメ店主」「カメラを構えたクジャク店主」など店主や店の特徴がよく表れており、目的の店に着くと参加者からは「そっくり!」と驚きの声が続々と上がった。中には似顔絵を見ただけでどの店か分かった人もいたほど。一方、答えが分からない参加者が積極的に店主に質問している姿も見られ、あまり商店街を訪れない人も店主との交流を自然と深められる良いきっかけになったようだ。
これまでに、子どもや親子連れのほか高校生や大学生がイベントを楽しみ、長年商店街に通う高齢の常連客からも「新しい店が発見できた」と喜びの声が上がっている。参加賞のほか全問解答者にはかき氷のプレゼントがあり、お気に入りのアニマル店主のぬり絵を楽しめるコーナーも用意している。
素朴だが独自性のあるこのイベントの次回開催は9月1、2日。次はどんな“アニマル店主”が現れるのか楽しみだ。