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街の未来を担う交流施設 オープン1周年を祝う【秋田県能代市・能代駅前商店会/のしろ家守舎】

  • 地域振興

    空店舗活用

1周年を祝う街の仲間たち。白いテーブルは、雪をイメージしてつくられた

 4月6日~8日、秋田県能代市の能代駅前商店会にある「マルヒコビルヂング」1階のカフェ「CAFE&ASOBIBA 4-6(よんのろく)」にて、マルヒコビルヂンググランドオープン1周年の記念イベントが開催された。

 マルヒコビルヂングは、2019年の秋に県主催の勉強会をきっかけに商店会の有志と市、市民団体が一緒になってスタートした空き店舗再生のプロジェクトでつくられた複合施設。大正時代に創業し2018年に閉店した地上2階地下1階建て約550㎡の元酒店(旧丸彦商店)が、「空き店舗の増加」「子どもの遊び場がない」「子育てママたちの居場所がない」「木都・能代(※注)らしいスポットがない」という街の課題を解決するために、リノベーションで生まれ変わった。2階はコワーキングスペース及びシェア/レンタルオフィスとして、1階はカフェと子どもの遊び場、地下1階は木工専門のDIYの学校として現在活用されている。


(上)イベント当日、マルヒコビルヂング前のマーケットは大にぎわい。(下)空き店舗再生プロジェクトで地域の仲間がつくった「のしろ家守舎」。その設立時に考えた街の未来予想図。「この絵のような未来をつくっていきたい」(湊さん)

 リノベーションは2021年1月に始まり、同年4月には2階部分が先行して開業。翌2022年1月には1階のカフェ部分がオープンした。カフェに併設されている子どもの遊び場と地下1階のDIYスペースは、2021年10~11月にクラウドファンディングで資金が調達され、地域の人々からの大きな支援と期待を受けての改装となった。遊び場のスペース半分に大胆に配置されている、子どもたちがその上に載って遊ぶことも可能な大きな白いテーブルは、雪をイメージしてデザインされたもので、ワークショップによって地域の子どもたちとともに木工DIYで製作された。昨年4月6日のグランドオープン以来、この建物は、子育てママたちが憩い交流する場として日常的に活用されているだけでなく、地域の人々が街づくりや創業について学ぶ場、新しい取組みや事業のアイデアが生まれる場所となっている。

 今月6日から3日間の日程で実施された1周年記念イベントでは、2階のオフィスを活用している人たちが出展するマーケットやキャンドルづくりのワークショップ、旧丸彦商店にあった掘り出し物のマーケット、市外の評判の店が出展するマーケットに加え、この空き店舗再生プロジェクトを指揮したキーパーソンがプロジェクトの振り返りとこれからの展望を語るトークイベントが開催された。

 そのキーパーソンの一人、のしろ家守舎代表の湊哲一さんは、「ここが2年余り前にはまだ空き店舗だったかと思うと、本当に良い場所になったな、としみじみ感じています。これからたくさん楽しいことを企てて、たくさんの方々を巻き込めるくらい力をつけて、能代の街を元気にしていきたい」と抱負を語る。昨年度マルヒコビルヂングで実施された、市主催の創業セミナー「ちいさなシゴトのつくりかた」の参加者からは、この街で創業したいという声も出ているという。そうしたニーズに応えるために、湊さんたちは、テナント事業など次のステップへと進む準備を始めている。


(※注)木都・能代:秋田県北西部の日本海に面した能代市は、秋田杉の製材・加工産業の発展で、かつては東洋一の「木都」といわれた。


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