商店街に農園を作ろうと、長崎県諫早市アエル中央商店街の「アエル農園プロジェクト」で、じゃがいも栽培がスタートした。育てるのは昨年誕生したばかりの品種「ながさき黄金(こがね)」で、今月8日に初の植付けイベントを実施。12月には約30キロの収穫が見込め、試食会を兼ねたイベントも予定している。
8日のイベントでは地元の高校や農家、技術開発センターとタッグを組み、約100名の参加者と共に植付け作業を行った。諫早農業高校の生徒たちが作成した木製プランターに子どもたちが色を塗り、土は馬場農園、種芋は愛野馬鈴薯研究所が提供。植付け指導のため同研究所の所長も駆け付け、世代や職業も関係なく賑やかに作業を終えた。プランターは商店街内のポケットパーク(イベントスペース)と公民館のベランダに設置され、日々成長していく姿は街行く人の楽しみとなるだろう。
実は、北海道に次いで全国2位のじゃがいも生産量を誇る長崎県。この農園プロジェクトは、新種の「ながさき黄金」のPRに取り組む「ながさき黄金プロジェクト」の派生事業だ。同プロジェクトは地元デザイナーやクリエイター、農家や、市役所の有志とで構成される。同プロジェクトを推進している陣野真理さんが商店街でも店を構えており、プロジェクトを通じて商店街の新しい魅力を引き出そうと奮闘している。
「商店街という場所は、それぞれの得意分野を持つお店・人が混ざり合うことで新たなイノベーションが生み出される場だと考えています。この活動を通して、実感として実り豊かな長崎、諫早に住む魅力を直に感じ取ってもらいたいです。」と陣野さん。
12月の収穫イベントでは、再び諫早農業高校の生徒に協力を仰ぎ、試食会で出す料理メニューの考案と調理をお願いする予定だ。12月のイベント時にもまた新たなイノベーションが巻き起こるに違いない。