HOME > 商店街ニュース >

商店街ニュース

春を告げる商店街のひなまつり 1万体のひな人形が街を彩る【愛媛県久万高原町・久万町商店街】

  • イベント

    地域振興

    各種連携

「くままちひなまつり」ポスター

 愛媛県久万高原町の久万町商店街で、約1万体ものひな人形が通りを彩る「くままちひなまつり」が2月26日から開催されている。開催当日はオープニングイベントとして地元のよさこいチームの演舞や餅まき・菓子まきが行われ、3年ぶりの開催を楽しみに大勢が訪れた。

 2015年から実施されているこの「くままちひなまつり」では、商店街の店や民家の軒先、電話ボックスにまでひな人形が飾られ、約880m続く通りがひなまつり一色に染まる。文具店が定規やペンを持たせた人形を飾ったり、歯科医院が歯ブラシを持たせた人形を飾ったりと、店の特徴を上手く表すユニークな趣向のものも多く、来街者を大いに楽しませている。その中でひと際目を引くのは、メイン会場のまちの交流スペース「あけぼの座」の飾り。中央に高さ4メートルのピラミッド型のひな壇、壁沿いに高さ3メートルのひな壇が設置され、実に豪華絢爛だ。商店街のみならず周辺の店でもおひなさまを飾り、街ぐるみでイベントは盛り上がる。主催するくままちひなまつり運営委員会のメンバーも、商店街の店主、役場職員、高校教師、商工会女性部、婦人会など、地元の有志たちで構成されている。

大人たちと一緒に飾り付けを行う上浮穴高校の生徒たち。和気あいあいと準備が進められた

「一時でも通りに賑やかさを取り戻したいと、このイベントを始めました」そう話すのは運営委員会で委員長を務める石丸孝子さんだ。「イベントを開始した当時は、商店街では廃業が増え、歩く人の姿もほとんどありませんでした。『なんとかしなければ』と思ったちょうどその時、前町長からの提案で徳島県勝浦町のひな飾りイベントを視察に行くことになったんです。そこでは特定の施設だけでなく店や民家の軒先にもひな人形が飾られ多くの人が訪れていて、その光景を見た瞬間、うちでもやろうと決意しました」 (石丸さん)
 2015年の初回は4000体だったひな人形の数は、翌年から全国に寄付を呼び掛けたことで増え続け、今では1万体以上だ。

 コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となった今年は、地元の上浮穴高校の全校生徒が準備にかけつけてくれた。実はこの高校は商店街の近くにあることから、毎年数名の生徒に手伝いをお願いしていたのだが、今年はまちの人たちと関わりたいとの生徒たち自身の思いから、授業の一環として普通科の受験生以外の全校生徒の参加が決まったそうだ。

「日常のにぎわいにはなかなか繋がっていませんが、毎年イベントを楽しみにしてくれている方がいたり、今年はどんな飾りをしてお客さんに喜んでもらおうと運営メンバーにも良い刺激が生まれているように感じます。また、今年はたくさんの高校生が参加してくれたことで準備の段階からとてもにぎやかで、お手伝いの後も学校帰りに話をしたりしています。このイベントを通じて少しずつ地域と交流を深めていけたら嬉しいですね」と石丸さんは目を細める。

 開催は4月3日まで。会期中はマルシェ(3回)、フリマ(1回)、稚児行列(1回)などのイベントを実施。またスタンプラリーも開催する。久万町商店街の華やかな春の季節が始まっている。

商店街ニュース一覧はこちら
最上部へ