2月18、19日、北海道石狩郡当別町で、地元商店街の飲食店の惣菜を販売する「そうざいBANZAIフェス」が開催された。
当別町商工会が、外出機会の減る冬の閑散期に新たなにぎわいを創出しようと企画したもので、昨年12月に続く2回目の開催。地元から人気店8店が参加した。開始前から行列のできる店も出るなど、会場となったJR当別駅前のふれあい倉庫は、地元の自慢の味を求めて幅広い年齢層の人々でにぎわった。
札幌から電車でも車でも40分程の距離にある当別町。JR当別駅南側には、人気店や老舗を擁する歴史ある2つの商店街「本通振興会」と「中央通り会」が交差するように広がっているが、後継者不足や長引くコロナ禍で元気を失いつつあった。
そこで当別町商工会は昨年、全国商店街支援センターのトータルプラン作成支援事業を活用することに。商店街関係者、町役場や観光協会の職員、大学生たちと一緒に、キックオフを含めて全6回、半年に渡るワークショップなどで目指す商店街像をつくり、その目標を実現するためにプランづくりを行った。
「皆で目標を共有できたのが大きかったですね。町には大学生や子育て中のファミリーも多く、身近なイベントが求められていることに着目。そうしたイベントを皆でアイデアを出し合い企画しました。まずは昨年10月に駐車場でのキッチンカーフェスティバルを実施して大変好評を得ました」 と話すのは、同商工会事務局長の種田統さん。
そのキッチンカーフェスティバルに続いて、12月には、手軽に食事を楽しみたいサラリーマン、高齢者や大学生に向けて、第1回「そうざいBANZAIフェス」を5店舗の参加で開催。地元新聞掲載の反響や忙しい子育て中のママたちからの支持もあり、予想を超え300名以上の来場があった。そこで、外出機会が減り消費も落ち込みがちな2月にも同イベントを開催することに。出店も8店に増え、遠方にもファンを持つ人気のパン店、スイーツ店も参加し、まさに当別町の自慢の味をアピールする機会となった。
さらにタイミングを合わせて、2月3日~3月26日の間、当別町内の全33店舗と施設を巡り、スマホアプリでスタンプを集めると豪華賞品の当たる「とうべつ スマホdeまちなかスタンプラリー」も実施。「そうざいBANZAIフェス」から商店街のお店を回遊してもらえるように工夫した。
「まち歩きのアイデアもトータルプランの研修中に出てきたものです。今回、国の補助金も活用して充実したガイドブック『ユルタビとうべつパスポートブック』も作成しました。春に向けてイベントも続くので、ぜひ当別町を訪れて、町の魅力とともに、商店街の自慢の味にも触れていただきたいですね」と種田さん。
現在、同商工会は、空き店舗の活用を目指して空き店舗総合支援パッケージ事業に取り組んでいる。また今後も、3月12日のロイズタウン駅開業1周年記念ツアーに合わせたJR当別駅内でのイベント「当別駅ナカ・グルメフェス」をはじめ、4月には春のキッチンカーフェスティバル、5月も地元名産のアスパラまつりなど、地域を元気にするイベントを続々と予定しているという。