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防災を学びながら街を楽しむ「防災スタンプラリー」開催 【兵庫県尼崎市・三和本通商店街振興組合】 

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   黄色の冊子を手に多くの親子連れがクイズにチャレンジ

 兵庫県尼崎市南部の三和本通商店街で、1月14日、防災を楽しく学び、商店街の活性化にも繋げようというイベント「防災スタンプラリーin三和」が行われた。

  日頃から「三和に行けばなんでも揃う」と、尼崎市民の台所として親しまれている三和本通商店街。当日はいつもの常連客に加えて、受付で配布された「防災スタンプラリー&災害エピソードBOOK」を手に、楽しそうにお店をめぐる親子連れを中心に約200名が参加、商店街は大いににぎわった。

 数年前から地域の減災・防災をめざし一緒に活動してきた尼崎市と(公財)尼崎地域産業活性化機構、関西大学社会安全学部・減災政策研究室(永松伸吾ゼミ)。そこに昨年、三和本通商店街振興組合が加わり、お店やお客様を対象に防災意識についてのインタビュー調査を実施したのがこの企画のきっかけだ。
「インタビュー調査の結果、災害、特に津波や被災時の行動に対する当事者意識が薄いということが分かりました。そこで『防災意識の高揚を図り、さらに商店街の魅力を来街者にPRするイベントはできないか』と話し合ったところ、永松ゼミからスタンプラリーのアイデアが生まれて。企画から当日の運営まで学生の皆さんが大活躍してくれました。」と話すのは、尼崎市地域産業課の大平駿祐さん。

上)子どもたちや学生にとっては、あらためて商店街の魅力を知る機会に。下)オープニングでは生歌ライブでイベントを盛り上げる姿も

 防災に関するクイズを解きながら、商店街の店舗を巡ってスタンプを集めるこの防災スタンプラリー。クイズには、災害での被災経験のエピソードにまつわる「モノ」が出題されており、そのモノを取扱っている店舗を探して訪問し、正解すればスタンプを獲得できる。すべての店舗でスタンプをもらえれば見事ゴールとなり、抽選で商店街で使える最大5000円の商品券が当たるというもの。

 
 全6問のクイズは、阪神・淡路大震災(1995 年)、新潟県中越地震(2004年)、東日本大震災(2011 年)を実際に経験した方たち合計 17 人に学生たちが直接話を伺い、その中から被災の実態をリアルに伝えるストーリーを厳選して作成したという。

学生たちが実際の被災体験を集めたエピソードブック

  例えば、第1問は、
「震災で済んでいたマンションが倒壊し、公園でテントを張って4カ月生活しました。友人と炊き出しを始めたのですが、作れるものは限られていて、ほとんどが汁物でした。避難生活が始まって10日以上経ち、あるものを作ることになりました。普段なら簡単に手に入る材料も、集めるのに苦労しましたが、何とか作ることができました。関西人の私にとって、震災前は当たり前だった食べ物がこんなに美味しいものだとは思いませんでした。震災生活ながら心が温まった瞬間だったことを今でも覚えています。」というエピソードについて「この方は何を食べて心が温まったでしょうか?」という出題。


 参加者は、別ページの語群から答えを探し(答えはお好み焼き)、地図からお好み焼き店を探し、そこに行きスタンプをもらう。

「実際に被災した方のエピソードを知ることで、ふだん当たり前にある身近なモノが、災害時には貴重なモノとなることもあります。小さなお子さんでも分かる内容なので、世代を超えて災害の過酷さを理解し、日常生活から防災・減災を自分ごととして考え、同時に身近な商店街のお店を知るきっかけにしてもらえれば嬉しいですね。」と、大平さんは話す。

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