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まちを面白がって、つながる。「柳ケ瀬日常二ナーレ」【岐阜県岐阜市・柳ケ瀬商店街及びその周辺エリア】

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現代美術家を“案内人”に、本格的アトリエで油絵を描くプログラムも

 岐阜県岐阜市の柳ケ瀬商店街及びその周辺エリアにて、11月20日から2月4日まで、街を面白がる49の体験プログラム「柳ケ瀬日常二ナーレ」が開催されている。このイベントは、今ある資産を活かし、新しい使い方をしてまちを変えていく「リノベーションまちづくり」という市の事業の一環だ。

 柳ケ瀬商店街は、昭和の時代に一世を風靡した街。百貨店、劇場などの遊興施設、飲食店がひしめき合い、歌謡曲にも謳われるほど華々しく賑わった。それが平成に入ると一転、“シャッター街”と言われるようになってしまう。しかしそんな街に、今から10年ほど前、再生の灯がともる。Uターンで戻ってきた若い世代が中心となり、街に変化をもたらす活動を開始したのだ。特に、2014年9月に50の出店者とともにスタートした「サンデービルヂングマーケット」(通称「サンビル」)は、商店街全体を会場に毎月開催され、洒落た古着、コーヒー、焼き菓子、花、雑貨、アートなど多い時で150もの出店とそれを目当てに5000人もが集まるイベントへと成長、街のイメージを“シャッター街”から、“ヴィンテージ感のある面白いまち”へと変えていった。それと並行して、古びた昭和の建物はリノベーションで息を吹き返し、個性的な店が次々とオープン。柳ケ瀬商店街とその周辺エリアはいつしかクリエイティブな活動の場として、感度の高い若者に注目されるようになる。こうした街の変化を市も事業で後押しし、より多くの人がこの街に関わるようになるようにと、今回のイベント「柳ケ瀬日常二ナーレ」も開催されることとなった。

 「柳ケ瀬日常二ナーレ」は、柳ヶ瀬に店を構える店主や商店街のシェアハウスの住人、街のファン、近隣大学の学生、街づくり会社の面々が、この街で実現したら面白いと感じるさまざまなプログラムを企画し、自らが“案内人”となり紹介するというもの。例えば、街歩きが大好きな大学生と一緒に街を歩く企画や、新進気鋭の飲食店のコラボメニューを味わう企画、商店街に実際に住む人の生活を垣間見る企画、今では希少なフィルム映画の仕掛け人のトークを聞く企画、商店街で店を営む店主の技を体験する企画など、新旧の人やモノが交じり合う柳ヶ瀬の街の特徴を生かした49のユニークなプログラムが2カ月半の間に約100回分も用意された。

「めぐる」「味わう」「知る・楽しむ」「つくる」の4つ側面から、柳ヶ瀬を面白がる49のプログラムが揃った

 今回のイベントの企画と運営を担当し、前述の「サンビル」の仕掛け人でもある「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」のメンバー末永三樹さん(株式会社ミユキデザイン代表取締役)によると、サンビルは、商店街の外から来る出店者にスポットライトが当たる企画だが、今回の「柳ケ瀬日常二ナーレ」は、商店街の既存店にスポットライトが当たる企画だという。「二ナーレは、既存店の人とモノとコトを、若い人たちに届けようという企画です。二ナーレを通じて、レトロなアーケードや看板、こだわりを持つ店主たち、味のある雑居ビルやおしゃれな店など、柳ヶ瀬の日常を多くの若い人たちに楽しんでもらいながら、この商店街の歴史を次の世代へとつなぐ足がかりをつくることができたら」と話す。

 柳ケ瀬商店街振興組合連合会の林良一理事長は、「こうした取組みを重ねながら、若い人たちがここで店を構えたり、何らかの仕事をして、彼らのライフスタイルでご飯が食べられるようになるよう、この街の環境をつくっていきたい。若い人たちがここは面白いからと戻ってきたときに、受け皿になれるような街になるのが、これからの商店街のあるべき姿だと思う」と言葉を継いだ。

 終盤に差し掛かった「柳ケ瀬日常二ナーレ」。この取組みを経て、自らの街の多世代と多様性と、そこから生まれるさらなる可能性を見出した柳ヶ瀬の街は、今後どう進化していくだろうか。

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