宮城県栗原市の六日町通り商店街が、冬のギフトシーンを彩るオリジナルのラッピングツールを作成した。包装紙やメッセージカードなど全5種類を用意し、エビ天や地酒、馬のゆるキャラなど店の商品や街の身近なアイテムを青地の中に散りばめたポップなデザインに仕上げている。3月31日までの期間中、対象店舗でプレゼント用の買い物をすると、無料でこれらを使ったラッピングのサービスが受けられる。
企画したのは、商店街の若手店主や地域おこし協力隊で構成される六日町通り商店街未来事業部だ。同商店街では、コロナ禍において飲食店だけでなく物販店の売上も落ちてしまい、その対策を話し合う中でこれまで課題となっていたギフト需要に注目した。メンバーの一人、地域おこし協力隊の三浦大樹さんは、
「プレゼントを買う時、地域の人たちは郊外の大型店へ行ってしまい、商店街で買おうという人はほとんどいません。でも、商店街には長年愛されてきた老舗のお店や近年オープンしたセンスのいいお店があって、そこにある商品は店主さんのこだわりがつまった魅力的なものばかり。共通のラッピングツールを作ることで、プレゼントを買いに商店街に訪れ、そんなお店の魅力を発見してもらえたら」とこの企画に込められた思いを話す。
作成したラッピングツールは全5種類。包装紙、ステッカー、箔押しタグ、メッセージカード、袋止めのテープ(来年2月から使用予定)だ。ラーメン店の人気メニューを象徴する“エビ天”、地酒専門店の“地酒”、旧栗駒町の“馬のゆるキャラ” といった店の商品やかつて街にあったものを描き、それらを青地の中に散りばめて楽し気なデザインに仕上げた。12月10日からラッピングキャンペーンがスタートし、対象店は現在12店舗で今後も増える予定だ。利用客からは「かわいい」と好評で、店主たちも包装紙をのし風にアレンジしたり自店のラッピングツールと組み合わせたりと、工夫を凝らしてキャンペーンの盛り上げに一役買っている。
さらに、地域おこし協力隊の事務所には、入り口横のショーウインドウにラッピングのディスプレイも設置している。各店お勧めの商品をラッピングして並べ、金屏風を立ててプレゼントを選ぶ際のワクワク感を演出。また、インスタグラムを活用した情報発信も行っており、各店が「#プレゼントは六日町」をつけて、プレゼントにおすすめの商品やラッピング見本を紹介している。
こうした情報発信が功を奏し、クリスマスには例年より多くの人が商店街を訪れた。これからは、お正月、バレンタインデーやホワイトデー、入学・卒業のお祝いと、まだまだ贈り物の季節が続く。大切な人へのプレゼントや自分へのご褒美に、個性が光る商店街のお店で素敵なプレゼントを探してみてはいかがだろうか。