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みんなで子どもたちを守ろう!地域一体で取り組む「子まもりプロジェクト」【宮城県仙台市・荒町商店街振興組合】

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今年の「子まもりハロウィン」の様子。 プロジェクトメンバーおよそ40名が子まもり隊として歩道に立ち、子どもたちが安全に店を回れるように誘導した

 宮城県仙台市の荒町地区で、子どもたちを危険や犯罪から守ろうと、昨年から「仙台荒町子まもりプロジェクト」が始動している。地元小学校に隣接している荒町商店街が中心となり、地域の様々な団体と連携。毎年10月を防犯月間と定め、親子向けの防犯教室や、子どもがお店に助けを求める防犯訓練など住民向けのプログラムを実施している。

 このプロジェクトは、商店街主催でここ5年間続けている「子まもりハロウィン」を発展させたものだ。「子まもりハロウィン」は今年34店舗が参加したイベントであるが、およそ15年前に、たった1店舗の取組みから始まった。取組みを開始した理容店の店主・庄子康一さんは、こう振り返る。

「当時は、登下校の児童たちの姿は目にするものの、その子どもたちと接する機会はほとんどなかったんです。店先で『おはよう』と声を掛けても走って逃げてしまう子もいて。せっかく小学校の近くにあるのだから、子どもたちがいざという時に駆け込めるようなお店になりたいと思い、ハロウィンでお菓子を配ることから始めてみたんです」

 すると、それから数年後に嬉しい変化が。なんと、ハロウィン以外でも子どもたちが店へ遊びに来てくれるようになったのだ。そのことを他の店に話したところ「うちもやりたい!」との声が続々と上がった。こうして19の参加店舗で、子どもたちをいざという時に守るための「子まもりハロウィン」がスタート。年々参加店や子どもの数も増え規模は拡大していった。

街中に掲示されている防犯ポスター。今年は五橋中学校の美術部員や荒町小学校の児童も一緒に掲示のお願いをして回った

 しかしこのイベントは、子どもや周囲の大人たちには、単なるハロウィンイベントとしてしか認識されていないことが判明する。そこで、子どもを守るという側面を明確に打ち出して「仙台荒町子まもりプロジェクト」を新たに始めることに。これまで地域活性化にともに取り組んできた荒町児童館や荒町市民センターと実行委員会をつくり、警察や警備会社など地域の16団体と連携して同プロジェクトを立ち上げた。2021年9月30日、荒町小学校の児童と五橋中学校の美術部員の子どもたちを対象に実施した「防犯標語・ポスターコンクール」の表彰式を皮切りに、10月には、町内向け・店舗向けの「防犯教室」や「銀行防犯訓練」、「子どもがお店に駆け込む防犯訓練」を次々と行い、最後に「子まもりハロウィン」で締めくくった。

 今秋は参加団体を23に増やし、昨秋と同様の防犯プログラムを実施した。街が一体となってさらなる防犯への意識を高めるきっかけになればと、「防犯標語・ポスターコンクール」で集まったポスターの複製を街中の185の店舗に掲示してもらうよう依頼した際には、商店街が作成した「子どもが店に助けを求めに来た際の防犯マニュアル」も一緒に手渡した。

「このプロジェクトを通じて、他の団体の方たちとも防犯についての悩みやアイデアを共有できてとても刺激になりました。商店街だけではできない防犯イベントも、こうして様々なところと連携することで、実現可能になるんだと分かりました。組織の枠を超えた取組みの重要性を痛感しました」と庄子さん。笑顔がきらりと光った。

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