10月8日(土)、9日(日)、新潟県上越市の高田本町商店街にて、「百年老舗まつり」が開催された。主催は、本町3・4・5商店街振興組合連合会の「高田本町百年商店街プロジェクト」。商店街の歴史を、創業100年を超える老舗店を通じて伝えるこのおまつりイベントは、今年で2回目の開催だ。
慶長19年(1614年)徳川家康の六男・松平忠輝の居城として、忠輝の舅の伊達政宗の陣頭指揮のもと建てられた高田城。その築城に合わせて造られた城下町が、高田本町商店街の前身である。そんな歴史を持つこの商店街には、創業100年を優に超える老舗店が多い。それならば「老舗にスポットライトを当てて、街の歴史を知ってもらいながら、回遊を高めよう」と、本町3・4・5商店街振興組合連合会の有志が立ち上げた「高田本町百年商店街プロジェクト」は、2018年から江戸の時代を彷彿させる絵看板の制作を開始、30もの絵看板を次々と店先に立てかけていく活動を行っている。
絵看板を立てかけた店舗では、店内にお宝コーナーを設けたり、オリジナルの体験メニューや名物づくりの開発にも取り組んできた。そして、こうした取組みを発信するためのイベントも継続的に実施してきた。そのイベントを大々的にしたものが、昨年11月に第1回目が開催された「百年老舗まつり」だ。商店街の店主やおかみさんら60人が時代衣装に身を包み、江戸時代の殿さまや、商人、町娘になり切って、来街者をもてなした。
2回目となった今年のまつりでは、「イベントにいらしたお客様に気軽に買っていただけるものを」と、8店舗(栄喜堂菓子店、肉のいろは、渡部鮮魚店、杉田味噌店、藤作別館、いわしや薬局、ブランカフェ、大杉屋惣兵衛お馬だし店)が開発したお土産物(新商品)のお披露目会が行われた。会場は、本町3丁目に位置する「まちなか交流館」。ここでは、10月8日(土)、かつて高田にあった芝居小屋「大漁座」を復活させるというコンセプトで、落語や芝居、和楽器の演奏会、マジックなどさまざまな催しが実施されたが、お土産のお披露目会もその演目の一つとして行われた。
10月9日(日)には、昨年に引き続き、老舗の絵看板を巡りつつお店の取組みを紹介するまち歩きツアーも開催した。今年は、地元の上越教育大学付属中学校の17人の生徒もガイド役をとして参加。生徒たちは、事前に地域学習として商店街を学び、そこから得た知識と視点で、おかみさんとともにガイドを務めたという。2班に分かれて、時代衣装を身にまとい、全4回のツアーのうちの2回を担当した。
「高田本町は、創業100年を超える老舗が30以上も集まっている特色ある街です。この街の魅力を観光に結び付けることができれば。多くの方にこの街を知っていただき、実際に街を歩いて江戸の歴史に想いを馳せていただきたいと考えています。いらした方に素敵なおもてなしができるように、各店舗がサービスも商品開発も頑張っています!」と、本町3丁目商店街振興組合事務局の上原美智子さん。商い、新商品へのアイデアに磨きをかけながら、高田本町商店街は、日々、おもてなしの力を向上させている。
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