3月15日(金)、北海道夕張郡の栗山町駅前通り商店街の「cafe&bar くりとくら」にて、イベント「ビブリオバトルナイト」が開催された。
ビブリオバトルとは、2007年に京都大学で始まった“知的書評合戦”ともいわれるゲームで、近年、全国に普及しつつあるイベントだ。皆が集まって5分で本を紹介。その紹介を聞いて、読みたくなった本(=チャンプ本)を投票して決定する、というルールのもと実施されている。読書活動推進を目的に図書館などで日中に開催されることも多いこのビブリオバトルを、今回「cafe&bar くりとくら」では、大人向けの交流イベントとして夜に実施した。
「cafe&bar くりとくら」は昨年(2018年)11月に、栗山町地域おこし協力隊員が、「若者でにぎわい、新しい出会いやアイデアが生まれるコミュニティの創出」を目指し、商店街の空き店舗(旧昭和堂時計店)を改装して開設した、新しいカフェ。ふるさと納税を活用したインターネットのクラウドファンディングで資金を募り、地域住民らと協力しDIY(自分たちの手で塗装などを行うこと)でつくられたことが話題となったこのカフェは、開設以来、交流の場としてだけでなく、「栗山町の特産物が気軽に食べられる場」「内外にまちの情報を発信する場」としても活用されている。
今回のビブリオバトルは、このカフェの3回目の地域イベントで、カフェの賛同者である、日高郡新ひだか町在住の仁岸稔さんからの持ち込み企画だったという。当日は、本の紹介だけでなく、新ひだか町の特産物である、太田養蜂場の100%天然はちみつを使ったピザも提供され、両町を知る良い機会にもなった。
「ビブリオバトルに参加された方々との交流が本当に楽しかった」と話す仁岸さんに対し、「自分たちが思いつかないようなイベントを企画してもらい、感謝しています。異なる趣味を持った方たちに気軽に店を使っていただき、こういうイベントが開催できることが地域の方々の来店動機につながり、それによって新しい出会いが生まれ、地域の掘り起こしにつながれば」とカフェを運営する石井翔馬さん(合同会社オフィスくりおこ代表)は語った。