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商店街×大学生でフードロス削減!SDGs連携協力協定で持続可能な社会を目指す 【大阪府吹田市・旭通商店街協同組合】

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9月3日、コミュニティカフェtocotoco… の前で行われた SDGs連携協力に関する基本協定の 調印式の様子

 大阪府吹田市の旭通商店街協同組合は、9月3日、「持続可能な社会づくり」を目指して地元の大和大学社会学部とSDGs連携協力に関する基本協定の調印式を行った。
 第一弾として、フードロス削減に貢献しようと、市場に出まわらない食材を使った「すいたぶるラーメン」(※注)を商店街内のシェアキッチンのあるカフェで販売。仕入れから調理まで学生が手がけたこだわりの味に立ち寄った人々からは好評の声が相次いだ。

 JR吹田駅南側に位置する旭通商店街は、日頃から地元に親しまれる約100店が連なり、バリアフリー仕様の舗道や日本一長い1000メートルのドライミストがあることでも知られる。近年は、手づくりマルシェ「ビレッジマート吹田」の開催や、空き店舗を活用したキッズスペース併設のコミュニティカフェtocotoco…(トコトコ)、障害のある人も協働できる食堂の運営等、暮らす人にやさしい持続可能なまちづくりを積極的に推進している。また、誕生は大正時代という歴史ある商店街で、2024年には創立100周年を迎えるという。

「100周年を迎えるにあたり、新たな活動を模索する中で同じ市内にある大学や学生さんともっと連携できないだろうかと話していました。吹田市には5つの大学があり、最近はSDGsをテーマにしている学部も多いので、私たちと同じ「持続可能な社会を目指す」という目標で協力しあえたらと考えていました。」と話すのは、同組合副理事長の池内かおりさん。

 

学生が自ら地域に掛け合って食材を集めて形にしたこだわりの「すいたぶるラーメン」は味も絶品だ。

時を同じくして駅北側にある大和大学では、今年4月、社会学部に「SDG研究推進室」が設立され、フードロス問題を解決するための大学発ベンチャーが発足。神戸のチョコレート輸入業者と連携して、外箱の凹みや賞味期限が迫って廃棄予定だったチョコレートの学内販売を行うなど、学生が主体となったプロジェクトが次々とスタートした。なかでもラーメンマニアの学生たちが淡路島の玉ねぎや舞鶴市の魚の魚粉やシロイカ煮干しなど廃棄予定の食材を使ったラーメンユニットは評判となり、5月に市内の万博公園で開催された「第1回SAKANA&JAPAN FESTIVAL 2022」を皮切りに各地のイベントやフェスに出店するなど人気を博していた。
 そこで、池内さんは、「せっかくなら実店舗にチャレンジしては?」と声をかける。コミュニティカフェtocotoco…にはシェアキッチンがあり、週末はレンタルスペースとして貸し出すことが可能なのだ。

実店舗でのすいたぶるラーメン販売をスタートさせたラーメンユニットの学生たち


「SDG研究推進室のプロジェクトは、学生が主体ながらも1つの事業として運営・経理まで本気でビジネスを学び起業家精神を養ってもらおうというものです。これから社会に出る学生にとって経営のプロのいる商店街は学びが多く、実店舗での営業は良いチャレンジになると思いました。また学生たちの若い力で商店街の活動をお手伝いすることもできるので、それなら協定を結ぼうという運びになりました」と話すのは、大和大学社会学部教授の天野健作さん。
 
 9月最初の週末となった3日には、tocotoco…に2回生を中心としたラーメンユニットの学生たちが集まり、店舗の前で商店街との調印式を実施。また規格外や廃棄予定の食材を使って新たに地産地消をテーマに考案された「すいたぶるラーメン」を調理、限定50食を販売し、こだわりの味を披露した。今後も毎月1~2回の頻度で出店を継続していく予定だ。

「フードロス削減は商店街の店舗との連携の可能性も広がっています。さらに今後は、近隣の複数の大学と一緒に新たにコーヒーをテーマにした企画も考えているので、旭通商店街の100周年とあわせて地域一体で盛り上げてきたいですね。」と池内さんは意気込んでいる。


(※注)“すいたぶる“は、吹田市シティプロモーションのキャッチフレーズ “suitable city”(スイタブルシティ)の一部 。 スイタブルシティ は、「暮らすにはぴったりなまち」 「吹田で実現できる」という意味が込められいる。 


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