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新京極夏祭り 原点を見つめ直し次なる進化を目指す【京都府京都市・新京極商店街振興組合】

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地蔵盆の福引「ふごおろし」が復活。1等と2等が当たると、景品が籠に入って櫓から降りてくる

 京都市中京区の新京極商店街にて、8月19日~20日及び27日~28日、「新京極夏祭り」が開催された。「150年後に残したいまちの文化と公園の風景にふれる日」というテーマのこのイベントは、新京極商店街振興組合、及び地域の自治体・企業で構成される新京極公園プロジェクト実行委員会が主催。同商店街による「新京極150周年記念事業」と京都市による「公民連携 公園利活用トライアル事業」との連携企画として、商店街の六角公園・新京極公園を拠点に、ユニークな催しが繰り広げられた。

 約550mにおよそ170店舗が立ち並ぶ新京極通りは、明治5年に京都府によってつくられたもの。東京奠都の影響で、人口が三分の二(約34万人から約23万人)まで激減してしまった京のまちを活気づけようと、府は、寺町通(寺町京極)に集まる寺院の境内を整理してその西側に通りを新設した。そこに見世物小屋や芝居小屋が次々に建ち、やがて京土産物屋などが軒を連ねるようになる。それが新京極商店街の始まりだ。以来この商店街は、京のまちで、新たな文化の発信源として栄えてきた。今年は、新京極通り開通から150年の節目の年。商店街は「新京極150周年記念事業」として様々なイベントを企画・実施し、自分たちの原点を見つめ直して、未来に向けて次なる進化を目指そうとしている。

 今回開催された「新京極夏祭り」は、新京極エリアの歴史や文化を発信し、次世代の公園活用アイデアや仲間集めを目的にしたプロジェクトである。商店街では、かつて8月の終わりに京都で行われる伝統行事「地蔵盆」での「ふごおろし」(「福引」のこと。当たりくじが出ると、ふご=籠の中に景品と数字の札を入れて、家の2階から景品が降りてくる形で行われる)を復活させ、新京極公園では、子どもたちによる京都のわらべ歌の披露、竹あかりなどの催しが行われた。その他にも、昔の写真と今の街並みを見比べながら街の歴史を想起する街歩きツアーや、古いものを今に生かす古着市、廃材を素材としたリサイクルマルシェ、街の未来について語るトークショーなど、新京極の歴史と文化を辿りながら街の今とこれからについて考える様々な企画が実施された。

まち歩き「新京極界隈ツアー」の様子。ガイドは岡本理事長。新京極通りには松竹、日活、ピカデリー、コマ劇場など数々の劇場(映画館)があった

 会場となった新京極公園は、以前は喫煙所が入口付近に設置されていて、非喫煙者が利用しにくい雰囲気があった。しかし今年、喫煙所が公園の奥へと移設され、きれいなペインティングでその壁面が装飾され、子どもたちや親子連れ、高齢者などにも親しみやすい空間へとリニューアルされた。「夏祭りでは、この生まれ変わった公園のお披露目をしっかりと行いたかった」と、イベントで中心的な役割を果たした新京極商店街振興組合の西澤摩耶さんは話す。「商店街の歴史や文化は、店主たちだけでつくるものではなく、そこに集まって来る人たちによってつくられるものだと思うんです。公園は、子どもたち、親世代、高齢者世代が集まる場所。そういう多世代交流の場所が自分たちの商店街のエリアにできたということは、とても大切なこと。商店街の未来の可能性もここから広がっていくはずです。」加えて、今回公園利活用をテーマにイベントを行ったことで、公園の管理を担う町内会や自治会との連携体制が強まり、さらには地域の大学や企業、芸術家などとの交流も広がったという。商店街や枠組みを超えた様々な人との関係構築によって、「この街はこれからますます面白くなる」と西澤さんは確信している。

 こうした新たな取組みに、理事長の岡本喜雅さんも大きな期待を寄せる。「その時代、時代の店主たちが苦労してお店や商店街のイベントを作り上げてきました。見世物小屋や芝居小屋、洋弓場などが建ち並んだ時代から、人々を楽しませ、喜ばせ、元気になってもらうのが新京極のDNA。そのDNAが、150周年の事業を通じて、次世代にもしっかりと受け継がれていると、大変頼もしく感じています。若い人たちに、原点を忘れずに街の新しい未来をどんどん描いてもらいたい。」

新京極公園で地元の子どもたちが京のわらべ歌を披露

 通年イベントの「新京極通150周年記念事業」は、まだまだ続く。次回の催しは、10月の「新京極華をどり」。新京極の街で舞妓さんの舞を見られるという新たなイベントだ。街の歴史と文化をDNAとして引き継いだ若者たちとともに、街はさらに面白く魅力的に進化していく。

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