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商店街で合宿 シャッターアートを制作した子どもたちの夏休み【福岡県田川市・伊田商店街振興組合】

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    地域振興

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子どもたちはシャッターに色とりどりの猫を描いた。アーティストの先生と一緒に最後の仕上げ

 8月も今日で終わり。今年、3年ぶりに行動制限の無い夏休みを過ごした子どもたちには、いったいどんな思い出が残ったのだろう。

 福岡県田川市の筑豊地区に住む10人の小学生は、この夏、商店街で特別な体験をした。合宿をして、シャッターアートの制作に挑戦したのだ。伊田商店街振興組合と同地区在住のアーティスト坂本鷹也さんが企画した「伊田商店街アートスクール」が8月7日から2泊3日の日程で開催され、参加した子どもたちは、空き店舗のシャッターに絵をのびのびと描いた。

 8月7日、アートスクールの初日は午後2時から始まった。宿となる公民館に集合し、コミュニケーションゲームなどをして仲良くなった子どもたちは、シャッターアートの題材を探しに2時間ほど商店街や近隣の公園を散策。その後商店街で調達された食材を使った晩御飯を食べ、近所の温泉施設で入浴を済ませて、夜のミーティングの場となった。ミーティングでは、散策の時に自分たちが気になったものを発表し合う。子どもたちが最も気になったのは、猫だ。実は、この地域では住民が協力して猫の世話を行っている。その「地域猫」が商店街付近にもたくさんいて、子どもたちの目を惹いたのだ。こうして、シャッターアートのモチーフは「地域猫」に決定した。

「伊田商店街アートスクール」は子どもたちにとって 素敵な夏の思い出となった

 続く8日と9日は、いよいよ実践である。キャンバスは、旧呉服店のシャッター4枚。白い下地の塗られた幅約7メートル高さ2.5メートルの大きなキャンバスの前に一列に並んだ子どもたちは、思い思いの「地域猫」を夢中になって描いていった。

 実は、このアートスクールには当初15人の希望者があったのだが、コロナが蔓延したことで実施直前にキャンセルが続出、参加者は10人となってしまった。主催の伊田商店街振興組合も、子どもを預かる側として責任重大と、スクール開催の有無を再検討する場面もあった。しかしそれでも開催に踏み切ったのは、「久しぶりの行動規制のない夏休みに、子どもたちにとびきりいい思い出をつくってもらいたかったから」と、理事長の江頭賢助さんは話す。「描いている間中、子どもたちから笑顔があふれていて、コロナ禍でも諦めずに開催して本当に良かった」と感じたという。

 「こんなに大きいところに絵を描くのは初めてで、すごく楽しかった!」「来年の夏休みもまた描きに来たい!」と目を輝かせる子どもたち。来年の夏、商店街では、きっともっとたくさんの子どもたちの笑顔とカラフルな絵が見られることとなるだろう。

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