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火災から2か月、旦過市場は進み続ける【福岡県北九州市・旦過市場商店街】

  • 各種連携

    災害復興

写真の右奥の仮囲いの中では、瓦礫の解体・撤去作業が行われている

 4月に大規模火災に見舞われた北九州市の旦過地区(旦過市場商店街及び魚町グリーンロード協同組合の二つの組織と新旦過地区の個店の集まりから成る)では、2か月余り経った今、地元の大きな支援を受けて、本格的な瓦礫の撤去作業が始まった。そんななか、旦過市場商店街は「個店の力を復旧・復興の糧に」との想いで全国商店街支援センターの「繁盛店づくり支援事業」の研修をスタートさせた。

 4月19日未明に発生した火災で10店舗が被災し、メインアーケードの三分の一が一時は機能不全の状況に陥った旦過市場商店街(注1)。事務局の田中祥隆さんは、火事の一報を受けた時、「すべてが終わった」と目の前が真っ暗になったという。しかし同日の朝9時には、同商店街、市役所、商工会議所と復興支援アドバイザーを交えての緊急対策会議が開かれ、事態は一気に動き出す。「その時気持ちにパチンとスイッチが入りました。行政にお願いすること、商店街組織として動くこと、個店が行うことなどを、集まった皆で手分けして書き出していくことで、自分たち一人一人の今やるべきことが明確になっていったのです」と田中さんは話す。

4月19日9時の緊急会議で、一人一人が何をすべきか確認した

 こうして旦過市場商店街は、「1日1時間でも早い営業再開」「安全安心の確保」「市場として的確な情報を常に出し続ける」を目標に掲げ、復旧に向けて全速力で走り出した。各個店は再開の準備に集中し、被害の少なかった店舗を中心に3日後から営業を再開。また、焼け跡に立ち入る人が出て二次災害が起きないようにと、焼け跡に仮囲いが設置されるまでの間(注2)、若手店主らが交代で警備を行った。そして、瓦礫の撤去に取り組むために、5月7日には魚町グリーンロード協同組合理事長(吉田和直さん)を代表に、被害地区全域を網羅する組織「旦過地区復旧対策会議」も発足、被災店舗の意見の集約へと動き始める。

 

 そんな旦過の店主たちの踏ん張りに呼応するかのように、地域も復旧支援に向けて素早く動いた。旦過市場商店街をはじめとする市内20の商業団体が加盟する小倉中央商業連合会は、4月26日にクラウドファンディングのサイトを立ち上げる。火災の処理は、被災当事者の責任で行われることが原則で、行政は金銭的な支援ができない。今回の火災も同様で、瓦礫の解体・撤去にかかる費用は全て被災した店主たちの負担となる。その負担を少しでも減らそうというのがこのクラファンの狙いだ。市もその周知活動に力を注いだ。クラファンは5月末までの募集で、目標金額の1000万円をはるかに超える5544万円もの金額を集めた。この他にも、市内のいたるところに設置された募金箱での募金、地元の高校生らが自主的に実施した募金活動、旦過地区復旧対策会議が募った義援金など、地元の企業や住民を中心に多くの支援金と応援メッセージが旦過に続々と届く。

小倉中央商業連合会が市内約250の店舗に募金箱を設置

 その支援に助けられ、6月23日、復旧・復興に向けての大きな一歩となる本格的な瓦礫撤去が始まった。旦過市場商店街では現時点で、被災した10店舗のうち、2店舗が市場内で既に営業を再開し、3店舗に再開のめどが立っているという。市場には買い物客が戻り、店主たちの声も威勢がいい。そろそろ、復旧から復興へと舵を切る、そんなタイミングが近づいているようだ。

4月24日に行われた繁盛店づくり支援事業の研修の様子。共同販促の内容について話し合われた

 6月24日、「繁盛店づくり支援事業」の研修がスタートした。この事業は9月末まで続き、火災の影響で売上が落ちた個店の売上回復とともに、旦過市場商店街全体の共同販促の実施を目指す。実はこの商店街が繁盛店づくり支援事業に取り組むのが今年で4回目となり、全108の加盟店のうち24店舗が研修を受けていることから、それらの店舗を中心にコラボ商品の開発を進めようということになったのだ。24日の研修の話し合いの中では、「今回の火災で多くの人からいただいた支援と温かい声援に対して、私たちの感謝の気持ちを、コラボ商品で伝えることができたら。“ありがとう”“がんばるよ”という気持ちを商品とともに掲げることができたら」という声が上がっていた。

 「起きてしまったことは仕方ないが、これからの未来は良いものへと変えられる。これ以上ないほどのたくさんの支援を受けて、私たち自身が頑張らなくてどうする、という気持ちです。こういう時だからこそ、一人一人がしっかりと考えて行動する。そして協力し合う。それが、これからの旦過全体を盛り上げる原動力となると信じています」と田中さん。旦過は一体となって、スピーディーにかつ着実に前進している。




(注1)旦過市場商店街、魚町グリーンロード協同組合および新旦過地区のエリア全体では1924㎡、42の店舗(うち空き店舗2店)が被災している。

(注2)仮囲いは5月5日から設置開始となった。

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