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「かわいいおじぞうさまを彫る」―ユニークな講座で人々の心と地域を豊かに【京都府京都市・古川町商店街振興組合/株式会社白川まちづくり会社】

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参加者によって彫られた唯一無二の「かわいいおじぞうざま」

 6月18日、京都府京都市東山区の古川町商店街(白川ライフアカデミア)にて、「かわいいおじぞうさまを彫る」という講座が開催された。10時スタートで17時終了。これまで多くの仏像を彫り国内外の寺院に納めてきた仏師僧の前田昌宏さん(市内在住)を講師に、一日じっくりと時間をかけて自分オリジナルのお地蔵様を彫ろうという企画で、彫刻刀を持ったことのない初心者でも気軽に参加できるというものだ。

 これは株式会社白川まちづくり会社が運営母体となっている、白川ライフアカデミアの講座のひとつ。白川まちづくり会社は、2017年に古川町商店街とその周辺地域(白川エリア)の活性化を目的に発足し、商店街と地域の人々の交流を促すため、店主や地域団体、近隣の大学の学生らと連携しながらワークショップやイベントを継続的に開催してきた。その動きを加速させようと、今年(2022年)4月に商店街中央部の空き店舗をリノベーションし、地域コミュニティのハブとなり、かつ地域の「知」の発信基地となる、白川ライフアカデミアをオープンさせた。それから2か月たった今、白川ライフアカデミアは、連日のように講座を打ち出している。

 その講座は、例えば、前述の「かわいいおじぞうさまを彫る」のほか、「練りきり和菓子体験講座」「水引結び講座」「祇園祭の楽しみ方」といった京都の歴史や文化に根差したものから、「ギター弾き語り講座」「楽しむ書 文字美茶論」(習字)など趣味のスキルを伸ばすもの、「おうちサロンの始め方」(整体やエステ、ネイルサロンなど自宅サロンの立ち上げ方)や「初心者のための会計ソフト入門」(個人事業を始める人や経理事務の就職を目指す人のための講座)などといったビジネスの実務に関したものまで、多岐に渡る。また、地元・白川エリアへの理解を深めるための「まち歩き」も定期的に実施しているという。

講座の様子。会場は、空き店舗をリノベーションしてつくられた “知”の拠点

 白川ライフアカデミアについて、白川まちづくり会社の副社長で古川町商店街振興組合副理事長でもある鈴木淳之さんは、「単なるカルチャーセンターではない」と断言する。「私たちはここで地域の人々が学ぶだけでなく、その学びを通じて商店街や地域としっかりとつながり、さらには、その学びをこのコミュニティのなかで活かすことによって、やりがい、生きがいを感じていただくことを目的としています。一人でも多くの方に、この地域に住んでよかったと、感じるようになってほしい。その目的を達成するために、今後、ライフアカデミアの講座はもちろんのこと、商店街でのイベントの内容もさらに充実させていこうと考えています」(鈴木さん)

 18日のお地蔵さま彫り講座の参加者たちからは、「こんな貴重な体験をさせてもらって有難い」「体験できて心より満足」との声があがった。地域の特性をいかした講座、人の心や生き方を豊かにする講座の開催を軸に、地域住民の満足度は上がり、古川町商店街と白川エリアは、その魅力と価値を向上させていくにちがいない。

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