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今こそ、天使のようにやさしい気持ちを忘れずに―インターナショナルな街で願いを込めて壁画を制作【東京都新宿区・新大久保商店街振興組合】

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壁画の下絵の色塗りを手伝う、商店街のメンバーたち

 「新大久保駅ガード下の壁画を一緒に描きませんか?」

 東京都新宿区のJR山手線新大久保駅前の高架下では、現在、縦3メートル、横33メートルの大きな壁画2面のリニューアル作業が行われている。新大久保商店街振興組合の有志らから成る新大久保駅壁画制作実行委員会は、その下絵の色塗り作業などを手伝うボランティアを募集中だ。通行量が多い場所のため、作業時間は夜間の22時から翌朝4時半まで。短時間のヘルプも大歓迎とのことである。

 この壁画は、1990年代初頭のバブル崩壊の影響で不景気が続く中、当時どことなく暗くて治安の悪いイメージのあった新大久保の街を明るく元気にするために、「駅前のガード下に思いっきり明るい絵を描こう」と、1998年に画家の高岡洋介さんが商店街の有志らとともに描いたのが始まりだという。その後、壁画は2005年にリニューアルされ、今回が3度目の制作となる。2005年からは、制作にもう一人画家(横島基尚さん)が加わったが、壁画のモチーフはそのまま引き継がれた。そのモチーフとは、「天使」である。「天使」は、1998年の最初の壁画制作をきっかけに、新大久保の街のシンボルとなった。

 2002年の日韓共催サッカーワールドカップと、その後の韓国ドラマ、K-POPのブームにより、コリアンタウンとしてのイメージが定着した新大久保であるが、実は、韓国だけでなく世界中の国々から人が集まるインターナショナルタウンである。街を歩けば、いろいろな言語の看板や、ネパール、ベトナム、タイ、中国などの店、イスラム横丁などがあり、地元の小学校では、日本の子どもたちとともに多国籍の子どもたちが机を並べて勉強している。しかし、こうした多種多様な社会の中では、生活習慣の違いから誤解や軋轢が生じることも少なくない。新大久保商店街振興組合は、この特徴的な街の商店街として、海外からの訪問者や移住者に不安やストレスなく、安心して買物が出来る環境をつくりたいと考えた。

 どこの国の人でもお客様として同じように接客し、誰でも楽しく買い物ができる商店街にしたい。そのためには、民族間の壁を超え相互理解を深め、街が一つになれるような世界共通のシンボルが必要だ。壁画の「天使」は、そのシンボルにピッタリの存在なのである。

 こうして商店街は、「天使がすむまち」をモットーに掲げ、「みんなが天使のようにやさしい気持ちを忘れずに人に接していこう」「誰の心にもすんでいる天使を一人一人が大切にしよう」、そして「清潔で歩きやすく、誰もが楽しく安心して買い物ができるような街にしよう」との思いを持って今日まで活動を続けてきた。

 新大久保商店街振興組合の事務局長・武田一義さんは、「ウクライナ情勢など混沌とした世の中の今、三度目の天使の壁画制作となりました。こんな世の中だからこそ、皆の心の中に天使がすんでいることを確認して欲しいと思います。人と人がやさしい心でつながるようにと願いを込めて、壁画を制作しています」と語った。壁画制作は、6月4日(土)までを予定している。

縦3m×横33mの大きな壁画 。道路の向かい側にも、異なるデザインの天使の壁画がある

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