神奈川県川崎市の小倉商栄会が、商店街オリジナルソング「ああ、聴こえるは小倉音頭」を制作した。“小倉、ちょちょんがチョン”の軽快な音頭に合わせて、歌詞には街を流れる川や地元の馴染みの場所、田んぼや用水路があったかつての街の風景が描かれている。
作詞を手掛けた同商栄会会長の内田博正さんは、
「商店街のみんなで一緒に取り組めるものをやりたい!そう思ってはじめました。かつて通りには100軒ほど商店がありましたが今では34軒と減り、商店街活動に協力してくれるお店も少なくなりました。活動に参加できなくても歌であれば、たとえば、完成した曲をお店のBGMで流したりイベントで使用していくことで、一体感が生まれると考えたんです」と、オリジナルソング制作への思いを話す。
昨年の夏頃から制作活動がスタート。内田さんは小倉音頭のほかにも、「オグラデオグラダ」「小倉めぐり逢い」の2つの詩を書き上げた。しかし、地域の人たちと一緒に作りあげたいとの想いから地元の人に依頼していた曲作りが難航し、制作は一時中断となった。だが、内田さんはあきらめず、再び動き出す。小倉音頭が盆踊りの歌にピッタリなことから、今年の夏の時期には間に合わせようと、歌詞に合わせて歌ったものをテープに吹き込み、それをプロの作曲家に楽譜へと起こしてもらった。こうして曲はできあがり、今月8日にレコーディングを実施。先に録音していた店主たちの歌声に合わせ、地元の小中学校に通う13人の子どもたちが元気に歌い上げた。
この小倉音頭の制作の機運を盛り上げようと、現在、「小倉アートフェスティバル」も開催中だ。ダンス部門、習字部門、絵画部門と3つのジャンルを用意し地域住民から広く参加を募っている。実は、このダンス部門において小倉音頭の振り付けを募集し、フラダンス教室の講師と生徒たちが担当することとなった。盆踊りに間に合うように、現在、急ピッチで振り付けを作成中だ。完成後は、レコーディング風景などと合わせてYouTubeでの配信を予定している。習字部門では、「ああ、聴こえるは小倉音頭」または「小倉めぐり逢い」の歌詞の一節を書いた習字作品を募集(5月26日締切)し、絵画部門では、小倉に住んでいる人の似顔絵を募集(6月26日締切)する。
「近年、商店街の通りに宅地が増えたことで、新しい住民の方や若い方の姿が多く見られるようになりました。小倉音頭の歌詞には、街の情景が目に浮かぶよう、地元の馴染みの場所をいくつか散りばめているので、この歌を通して街への愛着が高まってくれたら嬉しいです。この夏、街のみなさんと一緒に盆踊りを踊るのがとても楽しみです」と、内田さんは心を弾ませる。
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「ああ、聴こえるは小倉音頭」
※小倉、ちょちょんがチョン×2 小倉ちょちょんがチョンチョン
小倉音頭で踊りましょ ああ、聴こえるは小倉音頭
あなたの涙をすくう時 夢見ヶ崎は霧に泣く
あの日、溺れし幻の流れ流れて鶴見川
ああ、心むなしく手を伸ばさん ああ、聴こえるは小倉音頭
(※繰り返し)
からむ眼と眼の輝きに 胸は高鳴る陸橋の姿切なく恋しかろ
神楽誘われ鳥居ゆく
ああ、幻の面影いずこ ああ、聴こえるは小倉音頭
(※繰り返し)
重ねた手と手の歳月は 遠い稲穂の頭かな
光る喜び、むせぶ灯火 用水にじむ道うすれ
ああ、永遠に叫ばんその名前 ああ、聴こえるは小倉音頭
ああ、汗や弾けん青春の ああ、聴こえるは小倉音頭