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活性化事例

地域の魅力を個店の味に。新たな名物を共同開発!

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事業名 繁盛店づくり支援事業
商店街名 十日町個店活性化勉強会(とおかまち逸品会)/新潟県十日町市

商店街の垣根を超えて活動しているグループ「十日町個店活性化勉強会(通称、とおかまち逸品会)」が、繁盛店づくり支援事業を活用し、街の新たな名物「越後妻有(えちごつまり)里山寿司」を生み出した。コロナ禍にあえぐ地元の飲食店に希望の光をともしたこの取組みに迫る。

研修で意見や情報を交換して生まれた寿司

自発的に学ぶ店主たちがコロナへの挑戦を決める
織物の街としても有名な十日町市。十日町駅周辺にはアーケード街が広がる

 新潟県南部の山々に囲まれた豪雪地帯に位置し、古くから織物の総合産地として栄えた十日町市。70年以上の歴史を誇る「十日町雪まつり」や、20年ほど前から3年に一度行われている世界最大規模の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催地として観光面でも注目されている。

 この地にある「とおかまち逸品会」は、商店街の枠を超えて地域商業の活性化に取り組む店主たちのグループだ。個店の魅力向上を目指し「一店逸品運動」を十数年間継続して行う傍ら、県の「がんばる商業者グループ育成事業」にも取り組み、自分たちのビジネスの新たな販路を開拓するなど、日頃から積極的に活動している。

 その逸品会が、’20年度、「繁盛店づくり支援事業商環境変化対応コース」を実施した。

「実は、’13年に逸品会の物販店5店舗が中心になってこの事業を利用したことがあるんです。その時とても好評だったのを思い出して。長引くコロナの影響で、地域観光の目玉のひとつの雪まつりも中止になり、特に飲食店が、かつて経験したことのないダメージを受けています。この危機を乗り越えるために何かしなければと、再びこの事業に申し込んだのです」

と、同会会長の樋熊秀行さんは事業活用の理由を語る。

共通のテーマで仕掛ける
今回、臨店研修に参加した逸品会の飲食店4店舗は、研修を通じてコラボレーションのスクラムをがっちりと組んだ。

 こうして、逸品会に所属する4つの飲食店が臨店研修の参加店舗となり、’20年10月、コロナ禍にコラボレーションで活路を見出すための全3回の研修がスタートした。

 初回の研修では、まず個店と地域の強みや課題が洗い出された。十日町の魅力は、豊かな里山の自然とその恵みだ。田畑に実る米と野菜、山で採れるキノコや山菜、そして農場で育まれる畜産物。これらを素材に、新しい名物料理を共通のテーマのもとみんなでつくり上げようという取組みが始まった。そのテーマとして「越後の山寿司」をイメージし、統一感を演出するための十か条のルールを考えることになった。
 また、食材の調達、広報活動などにおける、飲食店以外のメンバーのバックアップ体制についても話し合いが進んだ。

上)水井澄人さんを講師に迎え、各店舗を巡る臨店研修が行われた。下)研修時には新名物「越後妻有里山寿司」の試作品を持ち寄り、積極的に意見を交換した

 続く2回目の研修(11月開催)では、1回目に出された共通テーマと十か条のルールのブラッシュアップを行った。テーマは正式に『越後妻有里山寿司』に、それを効果的に伝えるためのルールは『越後妻有里山寿司十か条』に決まる。

 この日、各店舗が1か月間考えてきた試作寿司が持ち寄られ、互いに素材や盛り付けなどについてアイデアを出しあった。加えて、この事業の終了後に活動を継続させるため「越後妻有里山寿司研究会」を発足。市内全域の飲食店に参加を呼びかけることとなった。

 最終回となる’21年1月の3回目の研修は、成果報告会だ。完成形へと近づいた試作寿司が登場し、より上のレベルを目指してさらに熱い意見が交わされる。この取組みに興味をもった地元飲食店やメディアの参加もあり、周知のスピードも一挙に加速した。

 そして3月10日、ついに「越後妻有里山寿司」は各店舗での販売が開始された。これまでの広報活動が功を奏し、参加店はなんと22店舗に。今後は津南町など、近隣市町村の店舗にも声をかけ、さらにメンバーを増やしていく予定だ。

 個店の力を強め、地域の力も強めていくこの共同開発の取組みで、飲食店の新たな可能性が見出されていく。

メニュー表記の工夫や単品管理を実施サバス
店主 上原 勇一さん

イタリアンを中心に、幅広いメニューを展開。臨店研修で行ったことは、メニュー表記の見直しと単品管理の実施。「売りたいメニューの文字を大きくしたら、お客様に迷わず選んでいただけるようになりました」と、オーナー上原さんも研修の成果に手応えを感じていた様子。越後妻有里山寿司研究会の会長として、さらなる会員の獲得やPRに積極的に取り組む方針だ。

全国の事例も学びながら自店の強みを再確認【 越後妻有のごちそう家ごったく
店主 福嶋恭子さん

農業を営む店主がオープンしたレストラン。地元ブランド妻有ポークをメインに、自家栽培の魚沼産コシヒカリや季節の野菜を提供している。今回の取組みでも、自らが生産する食材を使い、彩り華やかな手毬寿司と生春巻き寿司を考案した。臨店研修では、メニューブックの改善などのアドバイスも受ける。「全国の事例を学ぶことができ参考になった」と研修を振り返る。

真空パック製品を開発し新規顧客の獲得に成功【 ダイニングしみず 】
店主 小林昌貴さん

1日1組限定の完全予約制貸切レストランと宿泊業を営む。臨店研修を経て、ダイニングを持ち込みOKな貸切スペースとして提供開始。クリスマスや年末の需要に合わせて、妻有ポークなど低温調理した肉を真空パックで販売し、新たな顧客を得た。「参加店を50店舗まで増やしたい」と研究会の拡大にも意欲的だ。

メニュー全体の見直しと昭和レトロな新メニューの導入モダン食堂KICHI
店主 上村吉徳さん

和洋折衷のフードやドリンクを提供する創作料理店。「コロナ禍で心が折れそうでしたが、研修でほかの方々と話す機会が増えて救われました」と店主の上村さん。メニューラインナップの見直しや店の雰囲気に合う新メニューの導入を検討。「ピザ寿司」をメインに、「生ハム握り」、「妻有ポークの角煮にぎり」などを新たに開発。

関連リンク

この支援事業について詳しくは  繁盛店づくり支援事業

★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2021 Spring(春号)に掲載されています。
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