HOME > 活性化事例 > 屋外アーケードを舞台にアイデア広がる 「お弁当パラダイス」

活性化事例

屋外アーケードを舞台にアイデア広がる 「お弁当パラダイス」

イベント

地域振興

商店街名 盛岡大通商店街協同組合/岩手県盛岡市

盛岡市の中心部にある大通商店街は、地域の飲食店のお弁当を集めて歩行者天国で販売するイベント「お弁当パラダイス」を6月より5回開催。自粛中の地域の人々を大いに楽しませたこのイベントは、街に新たな活気と可能性をもたらしている。

期間限定のはずが 希望の声を受け継続化
「お弁当パラダイス」運営の中心メンバーである菅原誠さん(中)と内舘茂さん(右)、組合事務局の中村正樹さん(左)

 緊急事態宣言が出された4月末、大通商店街では、店先でテイクアウト用弁当を販売する飲食店が増えていた。それらを一堂に集め、好みのものを選んで買えたら楽しいんじゃないか?そう考えたのが、盛岡大通商店街協同組合の副理事長を務める菅原誠さんだ。

「行ったことのない店にひとつのお弁当を買いに行くのは気が引ける、という声を耳にしたんです。ならば選択肢を増やしてみようと思い、飲食店に声をかけ、組合事務局があるビルの1階で弁当販売会を始めました」

 当初、販売会に参加したのは5店舗のみ。それでも、SNSでの発信や街なかで働く人たちに口コミで噂が広がり、最終的には15店舗がお弁当を出すまでに。

「次はいつやるの?」という問い合わせも殺到し、期間限定企画のつもりだった弁当販売会は、月1回の定期イベントとして継続が決まる。開催場所の歩行者天国にちなみ「お弁当パラダイス」とネーミング。6月に開催された初回は、およそ1万人が来場し、1500個の弁当が20分で完売するなど、自粛期間にあって盛況を博した。 


 このイベントの開催は、商店街内の店舗同士の関係性にも影響をもたらした。


「実はこれまで物販店中心の商店街と飲食店は関係が希薄でした。でも、新しいことに取り組み、お客さんを大通に呼び入れたいという気持ちはどちらも同じ。コロナ禍で自然に力を合わせることができました」

 2回目からは、その場で飲食できるスペースを設置、実際の店舗への来店動機につなげる工夫もするなど、回を重ねるごとに内容も参加店舗数も拡充した。確実な成果を得て、今年のイベントは10月いっぱいで一旦終了。だが、はやくも来年の開催に向け「コーヒーマルシェや音楽ライブなどの企画があがっています」と、参加メンバーのモチベーションは高いままだ。

 これまでなかった飲食店同士の横の連携や、街を盛り上げたいという業種を超えた若手世代の団結を生んだ「お弁当パラダイス」。コロナ前にはなかった絆を力に、街の新たな魅力づくりは加速している。


8月末に開催した3回目の「お弁当パラダイス」は、24店舗が参加。和洋中、イタリアン、エスニックなど多種多様なお弁当が勢揃い。産直野菜、スイーツ、自家製パンなども!久しぶりの外出を楽しむ親子連れ、ビールを片手に音楽を楽しむ人など、にぎやかな空気が生まれていた

★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2020 Autumn (秋号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。

商店街活性化の情報誌「EGAO」

一覧はこちら
最上部へ