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活性化事例

いつ来てもウェルカム!おもてなしで街に元気を

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観光

商店街名 高田本町商店街/新潟県上越市

城下町として400年もの歴史を持つ新潟県上越市の高田本町商店街。この街のおかみさんたちは、とにかく元気。街の歴史や日常のちょっとした変化からヒントを得て数々の取組みを考案し、訪れる人を心よりもてなしている。その明るく楽しい活躍の様子を聞いてみよう。

歴史ある街だからこそ、インバウンド層も魅了するソフトが豊富

すべての始まりは「城下町高田花ロード」
おかみさんたちの活動の原点「城下町高田花ロード」の様子

高田本町3〜5丁目の商店街のおかみさんたちが組織をまたいで集まり、商店街全体の活動を始めたのは、’98年のこと。城下町の街路を歩いて楽しむイベントの実施で、市内外に「城下町高田」をアピールし街を元気にしよう、と委員会を結成、翌年10月に「第1回城下町高田花ロード」を開催した。
花とアートをテーマに作品を募集して商店街に飾るこのイベントは、以後、秋の風物詩として定着し、今では3日間で3万人をも集めるほどになっている。

「花ロード」の成功は、それまで夫を陰で支え表に出てこなかったおかみさんたちの意識と能力を覚醒させた。委員会の集まりで商店街内の横のつながりを強め、出店者や協力者たち外の世界とも結びつきを深めながら、彼女たちは商店街や地域を舞台に活躍の場を広げていった。

多層的に街の魅力を発信するおかみさん

現在、おかみさんたちは、春の花のイベント「上越オープンガーデンと花めぐり」、老舗店の魅力を絵看板で伝える「百年商店街プロジェクト」など、数々の取組みを牽引している。’15年からはインバウンドへの取組みも始めたが、実はそのきっかけも「花ロード」だった。

「実行委員会でのおしゃべりで、『なんだか最近、街で外国の人を見かける』って話になって。調べてみたら、隣の妙高市に海外からスキー客が年に2万人も訪れているとか。それなら、うちの商店街に寄ってもらったら、となったんです」

そう話すのは、花ロード実行委員長でもあり、「インバウンドで本町を盛り上げるおかみさんの会」会長の熊田和子さん。楽しそうなことにはすぐさまチャレンジ、と始めたその活動は、英語でのPOPづくり、外国人対応の接客研修、インバウンド用のチラシと動画の作成・配布・配信、日本文化の紹介も兼ねたイベント「ウインターマーケット」の実施など多角的だ。

「以前は外国のお客様が来ると隠れていたという方も、今は〝いつ来てもウェルカム〞と積極的に接客しています。商店街全体のおもてなし力が確実に上がりましたよ」(熊田さん)
このように日常の気づきから始まった活動もあれば、街の歴史に着目した活動もある。

「ここは城下町として栄えた街なので、何百年も続いている老舗が多いんです。その歴史の魅力をお客様に伝えたくて、〝百年〞をキーワードに、昔ながらの絵看板をつくって店頭に置いて、回遊のきっかけをつくりました」と語るのは「高田本町百年商店街プロジェクト」代表の宮越紀祢子さん。自身の営む菓子店も約430年の歴史を誇る老舗で、彼女もまた「花ロード」の立ち上げ時に汗を流した一人だ。

こんなパワフルな女性たちを、商店街の男性たちは「かみさんたち、まーたなんか新しいことすんのか」と期待と好奇心をもって見守っているという。’11年設立の高田本町まちづくり会社も彼女たちをバックアップ。

「おかみさんの活動も含めて、街全体で共通のビジョンを持ち、将来の姿をデザインしていきたい」(同社・浅岡哲也さん) と、元気なおかみさんたちと一体となった商店街活動を視野に入れている。

★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2020 Spring(春号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。

商店街活性化の情報誌「EGAO」

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