商店街名 | 京都向日市激辛商店街/京都府向日市、神戸市内商店街/兵庫県神戸市 |
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観光の切り札にもなりうる「地域資源」。それをつくり出した商店街を紹介しよう。
京都府向日市では、’09年にまちおこしの一環で20店舗ほどの飲食店を中心に〝激辛〞をテーマにメニューを開発、「京都向日市激辛商店街」を立ち上げた。その後、ナンバーワン商品を決めるイベント「KARA‐1グランプリ」の開催や、ユーモラスなPRなどが功を奏し、西日本で一番小さな市にもかかわらず、今では年間20万もの人が訪れる〝激辛の聖地〞として不動の地位を築いている。
「もともと目立つ地域資源がなく、どこもやっていないことにトライする必要があった」と話すのは、同商店街副会長の清水幹央さん。10年目を迎えた’19年には、「激スッぱ商店街」へ一時的に衣替えするなど、常に話題をふりまいている。「お目当ての店を探す道すがらに、歴史ある街の魅力も発見してもらえれば」
現在、飲食店以外も含めて参加店舗は65にのぼり、その勢いは増すばかりだ。
一方、新しい地域ブランドを〝デザイン〞で表現したのが「神戸タータン」だ。「神戸らしさのある統一的なイメージをつくろう」と、神戸元町商店街や三宮センター街に百貨店、ファッション業界などが足並みをそろえ「神戸タータン協議会」を設立。神戸らしい複数のカラーをチェック柄で表現した。「ものづくりが活発な街なので、デザインを切り口にするのは親和性が高い。タータンチェックのさわやかな色合いも港町によくマッチする」
同会副会長で、元町六丁目商店街振興組合理事の片山喜市郎さんは、その取組みについて語る。
ジャケットやシャツ、バッグ、靴、お皿や食品にいたるまで、あらゆる店のプロダクトに「神戸タータン」があしらわれる。地元の大学生により〝買い回りマップ〞も作成され、街の回遊にもつながっている。神戸マラソンの完走メダルやフィニッシュテープにも採用され、その認知度は大幅にアップした。
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この2つの取組みに共通するのは、創出された地域資源が街の共有財産となっていること。それを各店舗が活用することで商品の幅が広がり、
さらに認知度が上がる仕組みになっている。
★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2020 Spring(春号)に掲載されています。
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