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活性化事例

地域の個性を一箱に詰めて、大切な人へ贈る「街の魅力」

繁盛店づくり

トータルプラン

アドバイザー派遣

地域資源

事業名 商店街よろず相談アドバイザー派遣事業
商店街名 新居町商工会・新居町内商店会/静岡県湖西市

「繁盛店づくり支援事業」への取り組みや店主同士の交流をきっかけに、商店街全体の活性化意欲が向上。店主たちと商工会がタッグを組み、地域自慢の手土産が誕生――。

繁盛店づくりから広がる学びの場
老舗和菓子店まんじゅやの3代目、疋田実男さん。

浜名湖の西岸に位置する湖西市新居町。東海道「新居関所」のある宿場町の名残りで、街には多くの菓子店が点在している。その一軒「まんじゅや」店主の疋田(ひきた)実男さんは、時代の変化に先行きを懸念していた。そんな折、’13年7月、新居町商工会から支援センターの「繁盛店づくり実践プログラム事業」を紹介される。仲間とともに参加した疋田さんは、「すでにあるものを活かし、配置や包装を変えただけで効果が出た」と振り返る。

新居町商工会事務局長、渥美博之さん  

’15年には、繁盛店づくりに取り組んだ店主たちを核に、情報共有や意見交換を進めようと「トータルプラン作成支援事業」を受講。みんなで商店会の将来について考え、ワークショップを重ねたことで、世代間の交流もスムーズに進んだ。また積極的に意見を交わすうちに「一緒に何かできないか」と次の一手を考えるように。

成長を重ねる店主たちに可能性を感じた新居町商工会は「湖西市ならではの手土産を作れないか」と相談を持ちかける。その動機について、新居町商工会の渥美博之さんはこう話す。 「湖西市には自動車関連の製造事業者が多い。社員が取引先へ出張する際、地元を印象づける手土産を持っていきたいところですが、ここにはこれといったものがなく、手土産といえばうなぎパイをはじめ、浜松のものが主流でした。だからこそ、湖西市が誇れるものが欲しいと考えたのです」

街の魅力を伝え、個店をつなぐ手土産誕生

そこで、市内の菓子店5軒がチームを組み、’17年5月に「湖西手土産プロジェクト」が発足。各店一押しの菓子を一箱に詰め合わせたアソート商品の検討が始まる。「価格帯については商工会を通じて地域の事業者にアンケートを取り、工業部会や金融機関にもリサーチしました。何を入れるかは若い世代に任せました」と疋田さん。

試行錯誤を重ね、ある程度形になった試作品が出来た’17年冬、いよいよ本格的な販売に向け、専門家の意見を求めようと活用したのが「商店街よろず相談アドバイザー派遣事業」だ。それにより直面していた課題に対してより具体的な対策を講じることができた。たとえば、菓子ごとにばらつきが出てしまう消費期限に対しては法人需要が多いことを考え一カ月に設定。アソートゆえに出しにくかった統一感は、各商品の由縁を紹介する一枚の紙をカタログとして同封することで醸し出せるようになった。  

こうして湖西市内5軒の菓子店の魅力が一箱に詰まった手土産「湖西味めぐり」は’18年5月より販売を開始。評判は上々、大口注文時には店主たちは商工会に集まり、ときには100箱前後を詰め合わせることも。「箱詰め作業をしながら、お互い情報交換をしたり、相談したり。最近は新商品の話も出ています」と疋田さん。少量の注文はスマートフォン(SNS)を駆使し、お互いを行き来して即対応する。支援事業を活用しながら誕生した「湖西味めぐり」が個店同士や地域の絆を深める役割も果たしている。

関連リンク

この支援事業について詳しくは  商店街よろず相談アドバイザー派遣事業

★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2019 Autumn(秋号)に掲載されています。
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