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活性化事例

商店街と地域のために、できることから始めよう! いろいろな、はじめの一歩。

イベント

コミュニティ

商店街名 寿通り商店街/福岡県北九州市

いきなり大きな取組みを狙っては、企画倒れになってしまいがち。
まずは、身近で気軽にできることから始めたい。
たとえばこんなことから、商店街を変えてみるのも一手です。

【 シャッターペインティング 】

気分はトムソーヤ! わいわいシャッターを塗って明るい街へ
落書きがされ、暗い印象を与えていたシャッターがカラフルに。ワクワクする通りへと“イメチェン”

シャッターを綺麗にしながらまちづくりを考える活動が、福岡県北九州市の寿通り商店街で続けられている。

同商店街は、かつては茶舗や本屋、学生服販売店などの物販店が並び、買い物通りとしてにぎわっていた。しかし、この活動が開始された2年前は13店舗中8店舗がシャッターを下ろしたままの状態に。

下ろされたシャッターは落書きだらけ。そこで、「汚れたシャッターを綺麗にすることを通して、街にかかわりをもつ意識を多くの人と共有したい」と、まちづくり団体「カタログサンカッケー」代表の福岡佐知子さんが呼び掛け、活動が始まった。

プロジェクト名は、「トムソーヤ大作戦」。『トムソーヤの冒険』で、トムが友達を巻き込んで壁塗りをするエピソードにちなんで命名したという。

活動資金はオリジナル手ぬぐいの販売や寄付で集め、材料などの提供も呼びかけた。そして「試し塗りの会」として、’17年10月に6枚のシャッターの清掃と塗装を実施。続いて翌月開催された地域イベント「黒崎こども商店街」では子どもたちもシャッター塗りに挑戦した。

シャッターペインティングは、空間のイメージアップだけでなく、老若男女が楽しみながら参加できるイベントとして機能

「より多くの人がシャッターに触れることで輝きが増す」を合言葉に、有志はどんどん増えていく。ついには北九州塗装協同組合が、資材や職人による作業の協力を申し出た。以来、プロによる指導の下、シャッターのさび止め、下塗り、上塗りが気持ちよく進んでいった。

「まずはみんなの手で明るく楽しめる通りにしていこう!」とはじめの一歩を踏み出した活動は、街に変化をもたらした。明るくなった通りは行き交う人が増え、空き店舗への問い合わせも増加したのだ。

「人の手と想いが加えられると、必ずあたたかい場所になります。この活動が、やがて空き店舗をお店に変え、シャッターを開け閉めすることになる人を長く助けることを願っています」 と福岡さん。活動は月一回ペースで継続中。カラフルなシャッターでさらに明るい通りへと変貌を遂げるのが楽しみだ。

ほかにもあります、こんな“一歩”

みんなで街歩き
街歩きツアーや商店街ウォークは地域の歴史・文化を再発見する契機にもなる。街ににぎわい感が演出されるのもポイントだ。

清掃活動
清掃活動は、街の見栄えを良くするだけでなく、住民とともに環境や社会について考える機会にもなる。ごみ拾いにスポーツやゲーム感覚を取り入れ、楽しく社会貢献活動を行っている商店街も。

顔を合わせて話し合い
まずは有志が集まって商店街や地域の課題について議論できることが大切。既存の組織にこだわらずとも、店主同士でコミュニケーションを取ることが、大きな成果の第一歩に。
“マルシェ”や“市”の開催
“マルシェ”や“市”の開催は商店街に人を集めるだけでなく、新しいプレイヤーを呼び込むチャンスにもなる。


★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2019 Autumn(秋号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。

商店街活性化の情報誌「EGAO」

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