事業名 | トータルプラン作成支援事業 |
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商店街名 | 新越谷西口商店会/埼玉県越谷市 |
平成31・令和元年度実施の「トータルプラン作成支援事業」の事例を紹介。地域に31年ぶりに誕生した商店会が、将来の商店街の指針づくりに取り組む。
’18年10月、東武鉄道新越谷駅西口に越谷市内では31年ぶりとなる新しい商店会が誕生した。会員数は’19年9月現在110にのぼり、その規模は市内最大だという。
実はこの一帯、JR南越谷駅と接続する東口側とは対照的に街路灯が整備されておらず、駅前でありながら夜道の暗さが目立つエリアだった。加えて防犯カメラの設置も急務と考えられていた。そこで会長の山田謙治さんをはじめとしたメンバー10名は準備会を発足。前述の新しい商店会、新越谷西口商店会が設立された。
「大型ショッピングセンターのレイクタウンからも近いこのエリアは、近年、急速に人気が高まり人口が増えています。ですが、西口は夜には真っ暗になるため、歩くのもちょっと不安になってしまう。そこでまず地元の私たちが商店会として動き出せば、地域や行政に働きかけられるのではないか、子どもから大人まで安心して過ごせる街になるのではないかと考えたのです」(山田さん)
早速、街路灯・防犯カメラの設置を目指す「安心安全な街づくり事業」、清掃活動と花壇の整備を行う「きれいな街づくり事業」、ガイドブックやまちおこしイベントを企画する「地域活性化と観光振興事業」、会員の相互交流などを促進する「会員交流と商店会運営事業」の4事業を柱として始動。組織としては、会長と5名の副会長が、スピード感のある動きでそれぞれの持ち場を牽引。「まずは役員に元気がないと、会員も盛り上がりませんし、街も活気がでませんからね」と副会長の中島雅樹さん、深津進二さんも笑顔で声をそろえる。
商店会の設立によって、思いがけぬ効果もあった。商店会の一員としての連帯感が生まれたためか、自然とあいさつや普段の会話が増えた。もともと山田さんは「あいさつのできるまち」を理想としていたが、その目標は早々にして達成したといえるだろう。
’19年春、さらなるステップアップを望む同商店会は、「トータルプラン作成支援事業」の1日体験コースに続き実践コースを受講、具体的なビジョンとプランづくりに取り組むことに。
「活発な議論を見て、みんなそれぞれ商店会のなかった約30年の間に街を良くしたいという思いを育まれていたんだと実感」
副会長の木村明子さんがそう言えば、光田修二さんは「普段あまり話さない人からも意見が出る」、会計の厚川剛範さんは「自分のこととして考えさせられるのがいい」と話してくれた。
研修は参加人数を毎回増やし、取材当日の第3回では50名以上が集い、商店会のキャッチフレーズづくりに挑戦。数名ずつグループとなって討議と発表を行った。越谷商工会議所の会頭である井橋吉一さんは「こういった場で心を通じ合わせる意義は大きい。困った時の助け合いにもつながると思います」と、参加者にエールを送る。
「今回の研修はとても有益。人が集まればチャンスが生まれ、商売の力にもなるはずです」
筆頭副会長である森田一郎さんの言葉どおり、この研修からさらなる発展が望めそうな同商店会。夜だけでなく、未来も明るくなりそうだ。
この支援事業について詳しくは トータルプラン作成支援事業
★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2019 Autumn(秋号)に掲載されています。
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