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いま、商店街観光といえば神奈川!ファンを生むツアーのつくりかた

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商店街名 公益社団法人 商連かながわ/神奈川県

商店街観光ツアーが活発な自治体といえば神奈川県が挙げられる。’14年に開始して以来、県内各地で行われ、現在では参加者が殺到しているほど。旗振り役となっている公益社団法人商連かながわに、商店街観光ツアーの効果と実践的なノウハウについて聞いた。

神奈川県内の商店街に支援を行う商連かながわ。商店街ツアーの企画やサポートを始め、
優れた商店街を表彰する「かながわ商店街大賞」の実施やコンサルタントの派遣など幅広い支援を行っている。

地元の人たちとの対話が商店街観光の大きな魅力
商連かながわの古性さんは商店街観光ツアー開始当初から参画。それぞれの商店街の個性を引き出すスペシャリストだ

商店街を観光資源として有効活用できないか ̶ ̶そんな発想から生み出された神奈川県内の商店街観光ツアーは’14年のスタート以降50回以上を重ね、現在では毎回多くの参加応募が寄せられている。横浜や箱根といった有名観光地のみならず、目立った観光資源のない商店街ツアーにおいても定員を上回る人気で抽選となり、リピーターも急増中だ。

「行き場所の想像がつく団体旅行に慣れた世代にとって、個店の店主と直接話したり、ちょっとした街のうんちくを聞くことが新鮮に感じるようです」と、ツアーの魅力について、開始当初から運営やツアーのサポートに携わる商連かながわの古性清乃さんは話す。しかしなぜ、神奈川県では商店街観光ツアーがこれほど活発に行われているのだろうか。

そもそものきっかけは、黒岩祐治・神奈川県知事の「多くの商店街が、さらに個性を発揮し魅力を高めてもらえるよう商店街観光ツアーを実施していく」という発言からだった。これを機に、観光資源の発掘と商店街の活性化の両立を図る目的で「かながわ商店街観光ツアー委員会」が発足。’14年5月には平塚にて第1回の商店街観光ツアーが催された。

今でこそ「着地型観光」が普及しているが、当時は先行事例が少なく、旅行事業者と連携しながら手探りで地域の観光地と組み合わせたツアーを行っていた。

集客数が上がったのは県の広報紙「かながわ県のたより」への掲載開始から。「参加者の年齢層を考えると活字媒体が効果的だった」と古性さん。いざ参加するとその人情味あふれた内容に魅了され、遠方からの応募や、リピーターも増えていったという。また、ツアー参加者がプライベートで再訪することも多くなった。’17年1月に行われた横浜中央市場通り商店会でのツアーには、過去最多の291名もの応募があったほど、気運は高まっている。

マニュアルを作成し商店街の主体性を促す
かながわ商店街観光ツアー委員会が’17年10月に作成したマニュアル。商店街向けと旅行事業者向けがある。商連かながわHPからダウンロード可

こうして築き上げたツアーのノウハウをどの商店街でも活用できるよう、古性さんは「商店街観光ツアー実践マニュアル」としてまとめあげた。そこには、「商店街関係者や店主による街ガイド」「試食など体験型コンテンツの重要性」「イベントなど特別感の醸成」「観光地とのコラボレーション」など、ツアーを成功に導く重要な要素がわかりやすく記されている。各商店街の事情に添えるよう、チャート式で企画の流れも示されており、汎用性は極めて高い。

また、これとは別に旅行事業者向けのマニュアルも作成。「企画の出しやすさや参加費の抑制、また告知力の観点から、旅行事業者さんとの連携は大切」と古性さん。現在は旅行事業者の企画に商店街散策を組み込む形式が広がっている。

マニュアルには、古性さんの〝願い〞も込められている。「現在の商店街観光ツアーは、私たち商連かながわが実質的に運営しているケースが少なくない。ただ、本当は商店街が主体的にツアーを行い、意識を自ら変えていくことが重要。マニュアルがその一助になれば」
商店街観光ツアーは、外の人に商店街の魅力を気付いてもらうだけでなく、店主たちが自分たちの街の良さを再発見するという効果もある。

マニュアル作成を経て観光ツアーは次のステージを見据える。「観光資源の発掘という課題は解決しつつあるので、次は商業的な成功を目指して、ツアー自体で収益を上げたり、ヒット商品が出るという段階まで持ち込みたい」と古性さん。旅行事業者と連携した商店街ツアーの充実や、外国人旅行者をターゲットにしたものも検討中とのこと。今後もさまざまな企画で商店街の魅力を県内外に伝えていく。

県内各地で商店街ツアーが開催!
Data
期間:’14年~’18年1月
回数:全53回
開催商店街数:45商店街
延べ参加人数:1447人

’18 年1 月時点で、かながわ商店街観光ツアー委員会が企画したツアーの数は50を超える。県内の商店街を個々にヒアリングし、それぞれの個性に合ったツアー内容を提案する。

商店街の規模にもよるが、商店街がメインになる場合だけでなく、観光資源にも同等に重きを置く場合もあり、それがツアーにバリエーションをもたらしている。有名な観光地でなくても、街の歴史や特徴を感じさせるちょっとした周辺スポットを合わせることで、通常の観光旅行とは異なる楽しみ方を提供している。

「着地型観光」のひとつの完成形が、この神奈川県の商店街ツアーと言えるだろう。

とにかく商店街観光ツアーが盛んな県内の商店街。 ここではほんの一例を紹介する

1. 湘南スターモール商店街 (平塚市)

七夕祭りの飾りづくり体験と平塚駅周辺の
商店街を巡るツアー。平塚八幡宮の参拝や
相模湾で捕れる新鮮な魚介類の昼食も。

2. 伊勢原駅前中央商店会(伊勢原市)

パワースポットとして有名な大山阿夫利神社・
能楽殿の特別見学と伊勢原駅周辺商店街
の個店を巡った。

3. どぶ板通り商店街(横須賀市)

異国情緒溢れるどぶ板通り商店街のアメリカ
ンバーをはしごする夜の商店街ツアー。
特製の海軍カレー缶詰「ミリメシ」のプレ
ゼントも。

4. 箱根宮ノ下商店会(箱根町)

箱根宮ノ下温泉街の、ガイドブックに載って
いない穴場や個店を巡る。富士屋ホテルでは
昼食と館内見学ツアーも。

5. 天王町商店(横浜市)

フリーマーケットでにぎわう天王町商店街
を訪問。近隣の神社で行われる「保土ヶ谷
こども歌舞伎」を鑑賞した。

6.川崎大師仲見世通会(川崎市)

川崎大師の歴史を学びつつ、付近の商店会
で飴切りなどを体験、江戸時代の酒合戦を
模した「水鳥の祭」も見学した。

7.にこにこ星ふちのべ商店会(相模原市)

近隣の観光資源でもあるJAXAの見学を行っ
たほか、大学生ガイドが周辺の商店街や大学
施設を案内。

★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2018 Spring(春号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。

商店街活性化の情報誌「EGAO」

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