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活性化事例

情報発信の選択と集中を習得

繁盛店づくり

情報発信

個店活性

事業名 繁盛店づくり支援事業
商店街名 神楽町1丁目商店街振興組合/福井県敦賀市

’24年春の北陸新幹線の敦賀駅延伸に向けて盛り上がりを見せる神楽町1丁目商店街。今回、「繁盛店づくり支援事業」でめざしたのは、より効果の高い情報発信だ。これまでのSNSプラットフォームの活用の経験や知識を生かしながら、アナログのツールも含めて、自店の魅力を伝える最適な方法は何か。店主たちの奮闘が始まった。

自分に合った情報発信手法を学び、商店街全体で成果を共有!

むやみに投稿しても“いいね”が増えない……
商店街の逸品を集めた「神楽セット」
「氣比神宮」の表参道でもある商店街

 神楽町1丁目商店街は北陸一宮「氣比神宮」の門前町に位置する約40店舗の商店街。商店街の女性14人が設立した「神楽べっぴん会」による「朔日市」やマルシェの開催、複数の店舗の商品をコラボさせたオリジナル土産品「神楽セット」の開発と、北陸新幹線駅開業というまたとない好機に向けて、商店街全体が熱を帯びている。

 次なる成長を望む彼らが向き合ったのがより適切な情報発信だ。FacebookやInstagram、TwitterやLINE、YouTubeなど、店主たちはそれぞれ複数のSNSで活発な情報発信を行ってきた。ITを使うモチベーションもスキルもある。しかし、投稿数に比例する成果を実感できずにいた。そこで’22年、「繁盛店づくり支援事業」の中でも情報発信に特化して学びを深めることになった。

 情報発信は単純にSNSで写真や動画をアップするだけではない。「重要なのは『選択』と『集中』にある」と話すのは、講師の岩崎美紀さん。発信したい内容に合わせてツールを使い分けることが大切。場合によってはチラシやショップカードなどアナログな手法が効果的なこともある。

情報発信を整頓していくと徐々に効果が現れ始めた

 参加した5店舗は、研修を重ね、「どのような手法で、どの情報を、誰に届けるか」を考えていった。
 インターネット検索で表示される情報に着目したのは敦賀名物の手すきおぼろ昆布などを販売する増井弘海堂。「Googleビジネスプロフィール」の情報を整え、連動する地図検索(Googleマップ)などで店名が文字数の制約で途切れていたのを修正した。「氣比神宮御用達昆布の増井弘海堂」とひと目で分かる表記にしたところ、敦賀名物を検索した際にも目に留まりやすくなり、スマホ片手に来店する観光客も現れた。増井智子さんは「初めは些細なことだと無頓着でしたが、想定以上の反応が返ってきた」と驚いた。

 独自の目利きで鮮度が自慢のおもや鮮魚店は、LINE公式アカウントを導入。料亭などに卸す魚の余剰分を案内していた友人向けのLINEを会員組織化し、購買意欲のある層のコミュニティを整えた。「顔の見える範囲で無理なく発信が続けられています」と面順子さん。即効性あるメッセージに効果的な画像を添えることも心掛けると、登録者数は1カ月で倍増。売上にもつながった。

 オリジナルの店頭サービスに注力したのは明治創業の呉服店おりや。店主の伊藤美佳さんが紅茶に造詣が深いことを活かし、優良顧客限定の「紅茶パスポート」を開始。持参すると店内で本格的なアフタヌーンティーを無料で楽しめる。これは呉服に対するニーズを探る「着物サロン」も兼ねており、次の購買の布石へと活用している。

 洋品店Petitの山際亜矢子さんは店内の一部をリニューアルして新たな事業を開始。PRには、絞り込んだSNS発信に加え、近隣地域には折込チラシで効果を上げた。
 また、寝具店タニグチの店主で組合理事長の谷口正宏さんは、商店街の公式LINEも活用しながら、ワンストップで情報発信と販売ができるようホームページの改善に注力した。

 研修最終日の成果報告会では、和やかな雰囲気のなかでもお互いの改善について積極的に学び合う姿が見られた。谷口さんは、「この変化を他の店舗にも波及させ、さらなる動きのある商店街づくりができたら」と将来を見据えている。

情報発信の集中でお客様との関係をさらに深めました!

関連リンク

この支援事業について詳しくは  繁盛店づくり支援事業

★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2023 Spring(春号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。

商店街活性化の情報誌「EGAO」

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